インバウンドとは外国人による旅行のことです。
当記事では、日本へやってくる外国人観光客による収入をインバウンドと表現しています。
新型コロナウイルスが発生したばかりの頃、中国人の春節休暇をあてにしたインバウンド重視な政策を取ったことで日本も感染者が増えたとされていますね。
※実際にはその後の日本人による海外旅行によってヨーロッパ型が入ってきたという説もあります
今の日本ではインバウンドは悪、中国人は来るなという意見が多いように感じます。
果たしてそれは正しいのでしょうか。
私は間違っていると感じます。
目次
インバウンドは悪ではない
インバウンドは海外からの観光客にお金を落としてもらうことなので、日本国内で見た場合一方的に収入が増えることになります。
※もちろんインバウンド向けの設備やサービス、政策などの事前投資は必要です
一方、日本人は「お金がない」を理由に国内旅行をしない人が多いです。
日本人は実際にお金がないのではありません。
令和元年の世論調査では90%以上が自身を「中流」と答え、今の生活に73.8%が満足しており、レジャー・余暇についても62.7%もの人が満足と答えています。
この状態からさらに日本人観光客を増やす努力をするよりも、外国人向けにサービスを展開したほうがリターンが大きいです。
金のことしか考えていない?
この「日本人向けより外国人向けのほうがリターンが大きい」という判断について、「金の事しか考えていない」と批判する人がいますが、それは大きな間違いです。
観光業は慈善事業ではないので、利益を上げるために行動する必要があるのです。
これは観光業に限らず、全ての営利団体が同じ思考で動いています。
ノーマナーな態度は歓迎すべきではない
団体で行動する観光客は、個人個人が周囲に目を配らないため他人にぶつかったり車にぶつかったりしていて邪魔です。
さらに大声で喧嘩をするようにしゃべるのでうるさいです。
これらは現地の人に迷惑なので歓迎できません。
この点については改善すべきです。
「あの国の人たちは変わらないから入国を許さない」などと極端なことを言わず、「どうすればマナーのよい観光をしてくれるか」を考える必要があるのではないでしょうか。
日本人も一緒
気付いていない人が多いのですが、団体観光客のノーマナー行為は日本人にも当てはまります。
突然甲高い声で「うぞー」と叫び走りだしたり、仲間内のノリではしゃいでしまう人は多いです。
展示物へのラクガキなどは少なくなりましたが、買う気もないのに市場で冷やかしをしたり、スラム街や貧困街を観光気分でヘラヘラ笑いながら歩き回る人もいます。
一昔前は「爆買い」と言えば日本人がブランド物を買い漁ることを言っていました。
私は「だから仕方ないよね」と言っているわけではありません。
日本人も外国人も、他人に迷惑をかけないようにマナーを守りましょうと言いたいんです。
今は旅行する際にマナーについて学ぶ機会が存在しません。
自分で調べようとしても、メジャーな観光地ですらマナーについてまとめた公的なサイトは少ないです。
国によって文化が違うため、本人はノーマナーだと思っていないケースもあります。
イミグレでマナー表を配ったり、飛行機の座席に冊子を置いておくなどちょっとしたことでも変化はあるのではないでしょうか。
少なくとも私なら飛行機内がヒマなので熟読します。
土地の買い占めは話が違う
日本では新型コロナウイルス以前から中国人による「蹂躙」にも等しい「土地の買い占め」が問題視されていました。
これはインバウンドとは別の問題です。
インバウンドは観光であり、土地の買い占めは投資です。
日本の土地を外国人に奪われたくないのであれば、そういう法律を作るべきです。
この点において、私も日本政府の判断は間違っているように感じます。
海外の途上国の中には外国人が土地を所有することを許さず、現地のパートナーを要求するケースもあります。
日本は土地が狭いのですし、外国人が買うなら日本人を代表にした企業でなければならないというルールを作ってもいいような気がしますね。
インバウンドに頼らなかったら観光地はwithコロナでも生き残れたのか
もしインバウンドに頼らない運営をしていたら今回の新型コロナウイルスを乗り切れたのでしょうか。
GOTOトラベルが国民に受け入れられず、旅行する人が想定より少ないのは東京などの大都市で感染が広がっているからですよね。
つまり外国人は無関係です。
日本人も今の状況では観光地に行けないのです。
なので観光地が日本人向けに営業していたとしても、今回の新型コロナウイルスで悲鳴を上げることになったはずです。
感情的に「インバウンドは悪!あれがなければ観光業は助かっていた」などと言わず、落ち着いて考えてみてください。
最後に
インバウンド否定派の声が大きくなっていますが、インバウンドそのものが悪いのではなく一部の国のノーマナーが迷惑なだけではないでしょうか。
新型コロナウイルスによる収入減は仕方がありません。
これに関してはインバウンドに頼っていなくても大ダメージを受けていたはずです。
仕方がありませんで片付けられるレベルの損失でないことはわかっていますが、それはどうしようもないです。
観光業だけでなく、イベント運営会社も習い事の運営会社も、とても多くの人たちが苦しんでいます。
個人的には政府に頼るより、各観光地ごとにクラウドファンディングでもして有志から直接助けを求めたほうがいいような気がします。
政府が動くということは国民の税金が使われます。
政府を通すと様々な場面で多くの人が関わるため、中抜き的にたくさんの税金がどこかへ流出します。
もちろんクラウドファンディングが成功する保証はありませんし、全国民が苦しんでいる今の状況で寄付できる余裕がある人は少ないかもしれませんが...
All-in型であれば目標額に達成しなくても集めたお金が得られますし、手間の割にリターンは大きい気がします。