前へ:AT免許車が125ccバイクに乗ってはいけない理由とは?
現在、普通免許を取得した際についてくる原付免許は50ccまでに限定されています。
51ccから125ccまでは「原付二種」と呼ばれ、原付免許や普通免許とは別に「小型自動二輪免許」が必要です。
これらを普通免許だけで乗れるようになれば、不調な二輪車業界の売り上げが伸びるだろう、という計算のようです。
皆さんは125ccまでの規制緩和に賛成でしょうか、反対でしょうか。
原付二種
原付と呼ばれて頭に浮かぶのは、スクーターでしょう。
125ccまでのちょっと大きいスクーターであれば、原付に乗れるレベルの人であれば問題なく操作できるはずです。
ただ、原付二種には、いわゆるオートバイタイプのものも多く存在します。
スクーターのように座るタイプのものでなく、跨って、右手でスロット、左手でクラッチ、右足はブレーキ、左足がギヤ・・・。
教習を受けずに動かせますか?
できませんよね。
普通免許でこれが乗れるようになるということは、きちんと普通免許の教習中に実地教習を受ける必要があります。
そして、「生活の足のために車が必要」という人は、複雑な操作の必要なバイクに乗ることはないでしょう。
そんな人たちまで、わざわざ教習所で習わなくてはならなくなるのは不便ですね。
スクータータイプに限定するのであれば運転技術は問題ナシか
現在でも、教習所では1単元の原付教習があります。
スクーターは、それで十分なレベルの簡単な乗り物です。
なので、125ccまで規制緩和するにしても、全てスクータータイプに限定するのであれば運転はそれほど問題ないのではないでしょうか。
しかし、125ccは50ccとは倍以上排気量が違うため、同じ感覚で操作すると加速力の違いで思わぬ怪我をすることがあります。
それらについて、しっかり教習所で学ぶ必要があるでしょう。
当然、1時間程度では足りません。
時限数をある程度とる必要がありますね。
安全性の考慮
現段階で、すでに普通免許で乗れる原付ですら、非常に危ない運転が目に付きます。
今後、この危ない運転者がさらに馬力のある125ccまで乗ることになるとなれば、危険性は格段に上がります。
スクーターはよく、渋滞している車の間を走り抜けていますが、馬力が上がればちょっとスロットル(ハンドル)を回しただけで急加速します。
また、50ccはほとんどの機種で50km/h以上出せないように制限がかかっており、全力でもそこまでしかスピードが出せません。
それに対して、125ccは80km/h程度までは簡単に出せます。
出せるのであれば、車と同じ程度まではスピードを出してしまうでしょう。
しかし、四輪よりも二輪のほうが滑りやすく、急制動時に転倒しやすいです。
「手軽な乗り物」として油断した乗り手による事故が増えることは確実です。
事故を起こさないように何らかの対策がないと、125ccへの規制緩和は難しいのではないでしょうか。
自動二輪の買い手を増やしたいなら教習費用を安く!
今回の規制緩和は、二輪業界の売り上げ向上が目的だそうです。
ちなみに、現在の小型二輪免許は、普通自動車を持っていない人の場合20万円近く必要です。
普通免許をもっている人ならば、学科が免除されるため半額の10万円ほどで取得できます。
原付免許は1万円以下です。
ここに問題があるとなぜ経済産業省の人や二輪業界の人が気付かないのか不思議です。
乗りたいと思っても、20万円もかかるのであれば、50ccの原付で我慢するのが普通でしょう。
この費用を安くすれば、免許を取得する人が増えるはずです。
普通免許にくっつけるのではなく、あくまで別物として教習は残すべきです。
危険な乗り物であることを認識し、しっかりと訓練を積んだ上で乗るべきです。
まとめ
教習なしで125ccまで乗れるというのは非常に危険です。
個人的には、50ccも普通免許につけず、別物で教習を受けるべきだと感じています。
シートベルトのない、椅子に座っただけの状態で車と並走することがどれだけ危険か、おそらく普通免許を取っただけでは理解できないはずです。
運転技術のないバイク乗りが増えるのは恐ろしいことです。
売り上げが目的で危険な運転手を増やすような愚策はやめてほしいですね。