chatGPTが盛り上がっていますね。
「このままではAIに支配される」という明らかに勘違いした陰謀論を唱える人まで見かけました。
※chatGPTは絶対的な正解を導くツールではありません
知らないモノを怖いと感じるのは動物として自然な反応です。
ですがが知らないことを知ることで、知らないままの人よりも得ができるのも当然です。
chatGPTはAIがまるで人のように会話をしてくれるツールです。
英会話学習のためも使えます。
「chatGPTは英会話学習に使えない」という極論が間違っている理由
chatGPTで英会話学習をしようと考えて調べた方はわかると思いますが、「chatGPTは英会話学習に使えない」というネット記事をよく見かけます。
でもその目を引くキャッチ―ですたいりっしゅななういタイトルの中身(記事)を読んでみると、極論であることがわかります。
記事を読んでみると、たとえば「chatGPTは文字ベースなので会話能力(発声・リアルタイムのやりとりなど)は鍛えられない」だの「chatGPTは能力が高すぎて文法を間違えても意味をくみ取ってしまう」だのといった内容が多いです。
もちろんそれは事実ですが、「だから絶対使ってはならない」ということにはなりません。
chatGPTだけでネイティブ話者のようになるのは不可能ですが、chatGPTで英会話の練習をしなかった人と比べればやったほうが上達が早いのは当たり前です。
chatGPT正解を求めてはいけない
chatGPTはその特性上、間違った情報を返してくることもあります。
※そのことはchatGPTに最初に登録した際にも表示されていますが(英文で書かれているので)多くの人が無視しているのが現状です
そのため、たとえば最近話題の「プログラミングを書いてほしい」という用法には不向きです。
※プログラマの私から言わせてもらえれば他人が書いた間違いがあるかもしれないコードの修正ほど不愉快な仕事はありません。特にエラーで止まらずになんとなく動いてしまうような将来のバグの温床とかマジで...
英会話学習で言えば、「文法の間違いを指摘してほしい」「発音の間違いを指摘してほしい」などを厳密に行いたい場合は不向きです。
※chatGPT単体ではそもそも音声認識はできないため、別の方法を併せて使う必要があります
ただ、「英会話」を習得したいのであれば文法の間違いは問題ありません。
なぜなら、現実世界のヒトたちは正確な文法で話していないからです。
特に日常会話レベルであれば、chatGPTが意図をくみ取れる程度の英語力で十分です。
「完璧な文法でないなら口を開いてはいけない」というのは日本人の悪い癖の一つです。
私のように引っ込み思案な人間は特に生身の人間を相手にするとその傾向が強くなります。
chatGPTは機械なので間違えても誰も見ていないので恥ずかしくないです。
「多少間違っているものの意味が通る英会話」を大量に行うことは経験を積むという意味でとても効果的です。
発音・発声も鍛えたい場合
上記でも少し触れましたが、残念ながらchatGPT単体では音声でのやりとりができません。
文法同様、発音も日本人が苦手としがちですよね。
生身のヒトとのやりとりがベストですが、それは恥ずかしいし学校に通ったりネットスクールに登録するのも面倒という方は多いはず。
そういう方は、chatGPTと音声認識・音声出力を組み合わせて練習しましょう。
※当記事では個別で紹介しませんが、スマホアプリ(iPhone/Android)・PCともにいくつもツールが出ています
現時点(2023年2月末)時点ではシステムの都合上、人間同士での会話級の速さでのリアルタイムの返答はできません。
その点は技術力向上を待つか、「それがどうしても学びたい」と感じるのであれば生身の人間とつながる方法を考えましょう。
また、chatGPT(と連携するアプリ)の能力によって発音が正確でなくても意味が通じます。
これは文法の話と同様に、現実世界でも多少間違っていても通じるのでOKと考えましょう。
最後に
ということでchatGPTのみでは完璧な英会話は身につきません。
ですが大量の英語でのやりとりによる経験値は確実にあなたの英会話力を底上げします。
英会話学習において、chatGPTの弱点は以下の通りです。
・厳密な文法を指摘できない(間違ったことを言う可能性を否定できない)
・正確な発音を指摘できない(同上)
・リアルタイムでの会話のキャッチボールができない(システム上どうしてもタイムラグが発生する)
その一方で以下のメリットがあります。
・無料でできる(レッスン料はかからず、一般的なレベルでの電気代と通信費だけでできる)
・いつでもできる(予約不要、時間制限なし。電車の一瞬の待ち時間で数行のやりとりをしてもいい)
・機械相手なので途中で会話が途切れてもいい(ベッドで寝落ちしてもいい)
・途中でいくら待たせてもいい(わからない単語を翻訳してもいいし、飽きたら次の会話を翌日にしてもいい)
これらを理解し、chatGPTの欠点は別の方法で補強しましょう。
なお今の時代、外国人(英語圏における私たち日本人)が多少訛った発音をしていてもそれを茶化す人は少ないです。
※言うまでもなく「少ない」はゼロという意味ではありません。どこの国にもどの時代にもクズは一定数います
ビジネス英会話(特に厳密な言い回しが必要なタイプ)を学ぶにはchatGPTは物足りないかもしれませんが、英語を習い始めた子どもたちや「なんかかっこいいから英会話留学してみたい」という段階の学生・社会人の方、海外に住んでみたいので日常会話くらいは英語ができたらいいと感じる早期リタイアを考える人などの初期~中盤までの英会話学習にはchatGPTは最適な教材になりえます。
繰り返しますが、「chatGPT単独」で英会話をマスターできるとは言っていません。
より深い文法を学んだり、chatGPTが口にした知らない単語を翻訳したりといった勉強はしたほうがいいですし、ある程度の速さでchatGPTと喋れるようになったら生身の英語話者とのリアルタイムの会話のキャッチボールもしたほうがいいでしょう。
当然これらはすべて「やったほうがいい(おすすめ)」であり「やらなくてはならない(必須)」ではありません。
ご自身のお金・時間・熱意・その他もろもろの事情を考えて組み合わせてください。