アリバイ崩し承ります

アリバイ崩し承ります 安楽椅子探偵の推理が無理筋すぎて妄想クラス?他にも可能性はあるのでは?

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テレビ朝日でドラマ化される「アリバイ崩し承ります」は小説が原作のミステリー小説です。

 

ドラマ化にあたり原作小説を読んでみたのですが、私には合いませんでした。

 

主人公の時計屋さんが安楽椅子探偵として話を聞いただけでアリバイを見破っていくのですが、妄想クラスの想像でしかなく、自信満々に語る様子に違和感を覚えました。

 

ドラマでは時計屋さんの美谷時乃が外に出るのでこの違和感は緩和されるのかもしれません。

 

※当記事は一個人による感想です

 

 

 

安楽椅子探偵の推理が無理筋すぎる

 

この物語は時計屋さんが話を聞いただけでアリバイを崩していくという、いわゆる安楽椅子探偵ものです。

 

原作小説はショートストーリー形式で新米刑事が事件の概要を語り、それを聞き終わった時計屋さんが自信満々にアリバイを崩すという形になっています。

 

ただし、そのアリバイ崩しの話が荒唐無稽なものであり、「たしかにそれならアリバイは崩れるけどそれってあなたの考えですよね?」というレベルの妄想のように感じます。

 

妄想が逞しすぎて、「それがアリなら別の方法でもいける」と思ってしまいます。

 

 

安楽椅子探偵モノのカタルシス

 

安楽椅子探偵モノの醍醐味は探偵による「事件の概要に散りばめられた伏線を回収していき、パズルのピースがはまるように一つの線になる」というシーンではないでしょうか。

 

つまり、頭が冴えれば自分でも事件概要の時点で犯人や犯行方法、アリバイ崩しなどが「断定できる」というのが前提となっているのだと思います。

 

自分で推理できた人は安楽椅子探偵の謎解きを答え合わせとして楽しみ、推理できなかった人は「これが伏線になっていたのか!」と次々と氷解していく物語を楽しめるのが醍醐味です。

 

 

後出しの伏線

 

ですがこの「アリバイ崩し承ります」では、その伏線が語られていない状態で安楽椅子探偵が「実はこういうことがあったんです」と断定口調で語ります。

 

それは視聴者には(少なくとも私には)事前の事件概要では読み取れないものが多く、後出しで条件を付け足されたように感じました。

 

 

私の読解力がないだけかも

 

実はこの「アリバイ崩し承ります」は「2019本描くミステリ・ベスト10」の国内ランキング1位、「このミステリーがすごい!2019年版」でも国内編15位です。

 

ともに本格ミステリー界の有識者が投票して決定しています。

 

ということで、推理が無理筋すぎるというのは私の読解力が足りないだけなのかもしれません。

 

もしかしたら、私が安楽椅子探偵モノに求めているものがズレており、推理がスタートする段階で全てが明らかになっていなくてもよかったり、他にも正解があるようなものでもいいのかもしれませんが。

 

私はもともと推理小説や推理ドラマが好きですが、推理自体は得意ではありません。

 

最近でいえば「あなたの番です」の黒幕は最終回までわかりませんでしたし、「ニッポン・ノワール」も途中で考えることを放棄してしまいました。

 

小説で言えば東野圭吾作品の愛読者ですが、基本的に推理を固めることなく読み進めています。

 

そういう人間にとっては、この「アリバイ崩し承ります」のいくつかのエピソードはちょっと満足できない内容でした。

 

 

最後に

 

テレビ朝日で放送される「アリバイ崩し承ります」の原作小説は「2019本描くミステリ・ベスト10」の国内ランキング1位、「このミステリーがすごい!2019年版」でも国内編15位の高い評価を受けた本格ミステリーの安楽椅子探偵モノです。

 

ですが私には事件概要説明時にすべての情報が出揃っているように見えず、安楽椅子探偵が現場を見てもいないのに後出しで読者に提示されていなかった条件を出しているように感じました。

 

その結果、「唯一無二の回答」とは言えない状況となっているように思えます。

 

事件概要の説明が終わった段階で読者でも全く同じ正解へとたどり着けるのかやや疑問です。

 

上述の通り有識者による高い評価を受けているため、正解に辿り着けていないのは私の読解力・推理力が足りないからなのでしょう。

 

私にはすごすぎる作品よりもちょっとぬるい推理モノのほうが合っているのかもしれません。

 

 

 

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