日テレドラマ「35歳の少女」がスタートしましたね。
ヒロインの望美が小学生の頃、自転車の事故で意識を失って目が覚めたら35歳だったという物語です。
この設定を聞くだけで絶望的な気持ちになりますね。
第一話ではその事故の様子が描かれました。
ネットではこの事故シーンに「無理がある」という声が上がっています。
大人が冷静な状態で客観的に見たらそうでしょうね。
事故へのツッコミ
坂道でブレーキが効かずにスピードが出てしまい大事故になっています。
これを見た視聴者は
・足を地面にズリズリと引きずれば速度は落とせたはず
・速度が出る前に民家の壁にぶつかれば軽いけがで済んだのでは
・ブレーキが効かないと気付いた時点で転べばよかった
などなど、言いたい放題です。
ですが、それは「大の大人が」「冷静な状態で」「客観的な視点で」見ているから判断できることです。
事故の状況を振り返ってみよう
この事故について、ポイントを振り返ってみましょう。
まず、ヒロインの望美は当時10歳の子どもでした。
今の時代の10歳は大人びて見えるかもしれませんが、我々が考えている以上に子どもは判断能力がありません。
さらに事故当時、望美は自転車に乗れるようになったばかりです。
この状況で、(おそらくは前日まで問題なかったはずの)ブレーキが効かないというアクシデントに見舞われました。
しかもそこまで調子に乗ってスピードを出していた状態です。
足を地面につくのも、壁に自らぶつかりに行くのも相当な恐怖だったはずです。
軽いけがで抑える対処方法は大人でも難しい
視聴者のツッコミの中に「スピードが上がりきる前に転んだり壁に衝突すれば大怪我は防げた」というものがあります。
ですが、これは大人でも難しいです。
たしかに自転車程度であれば、成長した体が耐えられるので行動できる人もいるかもしれません。
ですが人間は基本的に「明確な損」を自分で選択することを避ける生き物です。
今怪我をすれば大事故は防げるとわかっていても、自分から怪我をする決断をするのは難しいのです。
大人でもこれができない人が多いです。
「せっかくここまで頑張ったのに」と言いながら成功する見込みのない行動を取り続けている人は多いですよね。
今やめれば損失は「ここまでの投資(お金と時間)」で済むのに、それが無駄になるのが嫌で最終的に大損害が出るまで続けているケースはよくあります。
私も何度も後悔するのに何度も何度も失敗します。
少なくとも私は望美の行動を笑うことはできません。
最後に
日テレドラマ「35歳の少女」で望美が25年間眠り続けた原因は自転車での事故でした。
冷静に見れば、足をつくなり転ぶなりすればあんな大事故にはなりません。
ですが、まだ自転車に乗れるようになったばかりの10歳の少女に「転んで怪我をすることで事故を防ぐ」という判断は難しいでしょう。
結果論的なツッコミは野暮です。
「仕方がない事故だった」と納得して続きを見ましょう。