yahooニュースに「ワタミがホワイト企業に」というニュースが掲載され大きな話題となっていますね。
「あのワタミが!?」と驚いた人は多いでしょう。
ですがこのニュースタイトルには語弊があります。
また、この選出は必ずしも我々一般人が思うホワイト企業とは同一基準ではなさそうです。
「ワタミがホワイト企業に」は誤解を招く表現
今回話題となっているのは、ある民間の「ホワイト企業認定団体」がワタミをホワイト企業認定したというニュースです。
ですが正確にはワタミグループの1つである「三代目鳥メロ」が受賞しています。
※三代目鳥メロはワタミグループの焼き鳥居酒屋です
ニュースでは「ワタミがホワイト企業に」と言っていますが、ワタミの全事業がホワイト企業認定されたわけではないことに注意が必要です。
最近、大手のニュースまで誤解を招くタイトルを多用するようになってきましたね。
選考基準の前の候補選出基準に問題あり
まず企業(または団体)が応募し、それを主催団体が選出する仕組みなのだそうです。
「私、ホワイトです」と手を挙げるというのはちょっと違うような気がしますよね。
ホワイト企業認定を受けた企業のほとんどは大企業と呼ばれる知名度の高い会社ではありません。
名前が知られていないから胡散臭いと思われており、少しでも評価が上がればと手を挙げたのでしょう。
主催団体の理事はスピリチュアルな啓発団体
日本では「スピリチュアル」と「啓発団体」はとてもネガティブな評価を受けていますよね。
主催団体が怪しいかどうかは別として、実在するかわからない精霊の教えを中心とした新興団体がたくさんあります。
指導者を絶対的な柱に位置付け、外部の声を一切聞き入れない形式の団体が多く、被害者も増えています。
ただし、主催団体が怪しいことをしているのかどうかについては、実際にセミナーなどを受けたことがないので私は判断できません。
個人的には自己啓発などの精神論は必要なものだと思っています。
根性論で働かないために精神論を学びやるべきことを取捨選択できるようにするのは今の時代にこそ必要です。
ホワイト企業の定義がややおかしいのでは?
「ホワイト企業とは何か」というのは正確な定義がないため、経営者側と労働者側で大きく異なっています。
我々労働者側の感覚だと
・サービス残業がない
・強制的な残業がない
・給料が高い
・休みがちゃんととれる
・パワハラ、セクハラなどがない
などが挙げられるのではないでしょうか。
一方、今回のホワイト企業大賞の定義は
社員の幸せと働きがい、社会への貢献を大切にしている企業
だそうです。
より詳しく言うと
・社会への貢献
・職場の関係性
・個人
といった大項目、および
・人間的成長
・自律
・信頼
・誇り
の4つの小項目の質問事項から「幸せ」「働きがい」を調査するものだそうです。
具体的に「残業」「給料」「休暇」などが書かれておらず、幸せに働けさえすればホワイト企業認定されそうな気配がありますよね。
人は慣れる生き物です。
ですのでサービス残業があっても給料が低くても、働けることを幸せと言われ続ければそう思い込んでしまうこともあります。
具体的な数値を選考基準として公言していないだけかもしれませんが、もし基準を設けていないのだとすると危険な気がしますね。
最後に
今回のホワイト企業大賞ではワタミグループ全体が受賞したわけではなく、「三代目鳥メロ」という一事業が受賞したものです。
また、ホワイト企業大賞は選出が立候補制であり、さらに手を挙げたほとんどの企業が受賞しています。
※受賞できなかったのはアンケートの返答が少ない企業だそうです
選考基準もあいまいであり、残業や給与、休暇などについての基準が存在しないような気がします。
アンケートそのものは公開されていないですが、もしかしたらアンケート内に「サービス残業はさせられていない」「最低時給以上の給料は得られている」などの項目もあるかもしれませんね。
なお、選考団体は「お墨付きを与えているわけではありません」とコメントしているようで、とても曖昧なホワイト企業認定と言えそうです。
受賞した企業・団体側は自分から「こういうところがホワイトです」と発信して欲しいですね。