東南アジアで最も人気の国として名前があがることの多い国、タイ。
物価が安く、料理が美味しく、親日国の国でした。
「でした」です。
しかし、実は数年前から「日本人が嫌われている」という情報が漏れ聞こえるようになってきました。
実際に現地に旅行した人の中にも友好的でない態度を取られたと言う人が増えています。
その原因は、日本人旅行者側にあります。
目次
日本人が嫌われる原因「値引き」
「タイは物価が安い」という情報をネットで仕入れた「初めてタイ旅行に来る人たち」や「数年ぶりにタイに来た人たち」は、昔の値段を相場だと勘違いします。
そのため、3000バーツが相場の世界で1500バーツに値引き交渉をしたりします。
定価が存在するものや相場が存在するものを「現地語(タイ語)も喋れない自称お金持ちが異様な値切り交渉をふっかけてくる」というのは、どんなに親日な感情を持っていたとしてもイラっとします。
そもそも「現地語を喋れない」という時点でお店(露店含む)側はスタッフが通常業務以上の労力を使っているので、現地人価格より高くなっていてもおかしくないはずです。
日本人が東南アジアでモテていたのはお金持ちだからです。
もっとはっきり言えば金払いがいいからです。
現地の相場ですらお金を払うことを渋る現地語が喋れない日本人に友好的な態度を取ろうと思う人などいません。
日本人が嫌われる原因「旅の恥は掻き捨て」
海外旅行の経験が少ない日本人ほど海外ではしゃぎがちです。
その結果、40円もしない屋台の料理に対して値引き交渉をしてみたり、見知らぬ人に向けてカメラを向けたりします。
「ダメ元で試してみりゃいーじゃん」とばかりに恥知らずな要求をする人も多いです。
彼ら彼女らにとっては一生に一度の異国の地かもしれませんが、現地の人にとっては日常の世界です。
非常識な態度を繰り返す人は嫌われて当然です。
「いや、私はそんなことしてないけど?」
上記のようなことをしていない日本人も現地人(タイ人)から非友好的態度を取られることがあります。
そして「私は何もしてないのに嫌がらせを受けた」と言ったりします。
これには「気付かないうちにやらかしている」ケースと「旅行に来た日本人」というレッテルで見られてしまっているケースがあります。
気付かないうちにやらかしているケース
前者は文化の違いや習慣の違いから「日本ではOKな行為」や「仲間内では当たり前の行為」が現地の人たちの神経を逆なでしてしまうパターンです。
よかれと思ってやったことでも現地の習慣ではよくないこととされていたり見下されたと受け取られてしまうことはあります。
たとえば、日本人特有の「見知らぬ人には目線すら合わせず仏頂面でいる」という態度は日本人のほとんどが気付いていません。
日本人は温和な表情だとかいつもにこやかな笑顔だとか思っている人がいますが、それは知人だらけの世界での話です。
よくわからないと思うのなら、電車に乗ってみてください。
満員電車は言うまでもありませんが、乗車率100%以下の空席がある状況でも一人で乗っている人の表情は決して笑顔ではありません。
その人がこちらの視線に気づくまで見続けてみてください。
睨まれるか、不快そうな顔で目をそらされるでしょう。
日本では当たり前の光景ですが、タイを含む海外の多くの国ではこの態度は好意的には受け取ってもらえません。
これは一例です。
私自身も世界中の文化に精通できているわけではないので、知らず知らずのうちにやらかして不快に思われることがあります。
これを避けるには長期でその国に滞在し、些細な事でも指摘してくれる「何でも話せる恋人か友人」を作る必要があるでしょう。
レッテルを貼られているケース
上記のような知らず知らずのうちにやらかしているケースとは別に「旅行に来た日本人」というレッテルを貼って毛嫌いしている現地人もいます。
彼ら彼女らはそれまでに不快な日本人旅行者と遭遇し、嫌な思いをしたのでしょう。
日本でも「K国やC国の人はうんぬんかんぬん」とレッテルを貼っている人はいますよね。
もちろん日本人全員がレッテルを貼っているわけではなく、ちゃんと個人を見ることのできる人もいます。
同じように、タイでも日本人旅行者を一括りにクレイジーなやつと扱う人もいれば、一人ひとりを別の人間として考える人もいます。
残念ながら、レッテルを貼られないようにするのは不可能です。
遭遇する前からレッテルを貼って色眼鏡で見て来る人に対処方法はありません。
見分けることも困難なので、遭遇してしまったら不運だと諦めるしかないでしょう。
最後に
親日国であったはずのタイで日本人嫌いの人が増えています。
異常な値下げ交渉を繰り返す人や、はしゃぎすぎている人が主な原因です。
「タイは物価が安い」というのは事実ですが、それでもタイにはタイの相場というものがあります。
日本よりも値段の変動が激しいためネット上で公開されている価格は「いつのものか」をよく確認する必要があります。
タイは日本人旅行者にとっては異国のファンタジーな世界かもしれませんが、現地の人はそこで生活をしています。
露店も市場も見世物小屋ではありません。
あなたにはゲテモノに見えるかもしれませんが、現地の人にとっては日常的な食事かもしれません。
買い物もしないで観光に来ないでください。
許可も取らずにカメラをパシャパシャしないでください。
これらの行動をあなたがされたらどう感じますか?
生魚の切り身を黒い液体に浸して食べている姿を悲鳴を上げながら無断で撮影されてもあなたは笑顔でいられますか?
満員電車でぎゅうぎゅう詰めになっている姿をヘラヘラ笑いながら撮影されても相手に好意を向けていられますか?
海外でも相手の気持ちを考えて行動するようにしたいですね。