朝ドラ「スカーレット」第14話では大阪に来た喜美子がさっそく女中の仕事をクビになり信楽に帰るという話でした。
カバンを開けたところ、父親の汗まみれの手拭いが直接放り込まれていました。
最悪ですね。
15歳の少女になんという仕打ちでしょうか。
臭い手拭いを入れた本当の意味
母からの手紙では父が
臭くて腹立つから負けるもんかと思うはずや
と言って入れさせたと語っていました。
喜美子はその手紙を読んだ後、臭い臭いと言いながら大号泣していましたね。
この手拭いの臭いはは実家から遠く離れて一人で働く喜美子にとって「実家の匂い」に相当します。
寂しいとき、辛いときに家族を思い出せる意味があるわけです。
言葉足らずすぎる
令和・平成後期の時代では考えられないことですが、川原常治は「男は背中で語る」をかっこいいと思っているフシがあります。
そのため本当は大阪に出したくないと思いながらも娘を働きに行かせたり、肝心なことは説明せずに自分だけで仕舞いこもうとします。
さらにこちらも昭和中期ならではですが男尊女卑の思想の持主です。
「女に学問はいらん」「子どもは黙って親の言う通りにしろ」などと本気で考えているようです。
それでもこの時代は「それが当たり前」だったために奥さんのマツも娘の喜美子もこんな父親を慕っています。
直接カバンに入れるのはひどい
汗臭い手拭いを洗わずにカバンに入れるというのは最低の仕打ちですよね。
「臭くて腹立つ」でも「家族の匂い」でもいいですが、臭いことには変わりなく、その臭いを他の荷物にまでつけてしまうのは嫌がらせ以外の何物でもありません。
とはいえ当時はビニール袋などもないでしょうし、仕方がないのかもしれませんね。
先の話をちょっとネタバレ
ここからノベライズ版を基にしたネタバレが含まれます。
お気を付けください。
父はこの手拭いを「成功」だと思ったようで、今後直子が信楽を出る際にも持たせようとします。
直子は喜美子ほど素直ではなく、反抗期だったようで手拭いを嫌がります。
このとき、父親は怒ってちゃぶ台をひっくり返しています。
※若い世代の人は「巨人の星」の星一徹くらいしかちゃぶ台をひっくり返すキャラクターを知らないでしょうが、昭和のオヤジはだいたいこういう人物でした。
喜美子は信楽に帰る?
帰りません。
手拭いと母からの手紙、そして琵琶湖で拾った信楽焼の欠片を思い出して大阪で頑張ることを決意します。
しばらくは大久保のぶ子の下で見習いとして働く日々が続きます。
最後に
朝ドラ「スカーレット」第14話では喜美子のカバンに直で汗臭い手拭いを入れるという嫌がらせ(?)が行われました。
父は「臭くて腹立つから負けるもんかと思うはず」というわけのわからない持論を展開し、喜美子は臭いを嗅ぎながら「臭い臭い」と大号泣していました。
実際には「父の匂い」であり「実家の匂い」でもあるため、一人で寂しい時に家族を思い出せる物として活用しています。
なお妹の直子が信楽を出る際にも汗臭い手拭いを持たせようとしますが、直子は「臭いから嫌」と断っています。
せめてジップロックなどに密封しておいて欲しいですよね。
※ビニール袋がスーパーやコンビニで使われるようになったのは1970年頃だそうです。