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放課後戦記 感想 意味がわからないなりにネタバレを試みる りりかの内面世界の話?

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放課後戦記という映画をご存知ですか?

 

舞台が原作の映画です。

 

舞台を観たことがある人のためのものなのか、映画をいきなり観ても意味がわからないことだらけでした。

 

私は舞台を観ていませんが、わからないなりにネタバレを含めた考察をしてみます。

 

原作者の意図しているものとは異なる受け取り方をしている可能性がありますので、一ファンによる独自解釈としてご覧ください。

 

 

 

あらすじ

 

まずは公式のあらすじを再確認しましょう。

 

ある日の放課後、門脇瀬名 (市川美織) は憑対弓立 (りりか) にハンカチを返すため屋上で待っている間に居眠りをしてしまい、目を覚ますと暗くなった学校に閉じ込められていた。

携帯も通じない外部からシャットアウトされた校内で、瀬名の目に映ったのは手を切断されて苦しんでいる女子生徒だった。

巨大な光や世界が赤く染まっていく不思議な出来事が起こる中、少女たちの史上最悪の殺し合いがはじまる・・・。

残り4日、残り3日、残り2日、残り1日、少女たちの殺戮のカウントダウン、最後に生き残るのは誰か?

 

引用:Hulu 放課後戦記

 

 

ジャンルとしてはアクション・サスペンス・ミステリーに分類されています。

 

また、amazonの紹介では

総勢40名の出演者全員女子!

美少女たちのバトルロワイヤルが今始まる・・・!

元NMB48のメンバー、市川美織映画初主演作!

とされています。

 

 

偽りあり

 

まず、amazonの紹介の「総勢40人」というのはどうやら映画ではなく舞台のことを言っているようです。

 

映画初主演作と言っておきながら舞台の説明を連続する文章内に配置するのはいかがなものでしょうか。

 

映画版ではあらすじに沿った内容ではありますが、「殺し合い」はストーリーのメインではありません。

 

女子高生版バトロワを期待して観るとがっかりします。

 

 

意味が分からない理由

 

まずメタ的な話をするならば、舞台を観た人を対象にしているため説明不足と言う点があります。

 

なぜ校舎に閉じ込められたはずなのに何の説明もなくフィールドが町全体に広がったのか一切説明がありません。

 

 

外見的な意味では「全員が同じ年ごろの美少女」なので区別がつきにくい点があります。

 

全員制服が異なるという差別化は計られていますが、美少女はみんな顔が似ている上に劇中では名前を呼ぶシーンが少ないため、一人ひとりを認識する前に退場していってしまいます。

 

もともと出演女優のファンであればこの点は問題ないかもしれません。

 

 

劇中の大半は精神世界の話であり、解離性同一性障害患者の心の中を反映しています。

 

そのため、その手の知識がない人には整合性が取れない世界は矛盾だらけに見えることでしょう。

 

 

誰の精神世界?

 

この映画の主人公は門脇瀬名(演・市川美織)ですが、舞台である精神世界は門脇瀬名ではなく憑対弓立(演・りりか)のものです。

 

憑対はツツイと読みます。

 

冒頭の現実世界でいじめられていた女の子です。

 

この子は父親から虐待を受けており、同性愛者です。

 

いじめられていた際に門脇瀬名が優しくしてくれたことで好きになりましたが、瀬名がキスを拒んだことがとどめとなっています。

 

 

登場人物は天使

 

劇中で何度か登場する「天使」という単語は、「守護天使」「身代わり天使」と呼ばれるものです。

 

いわゆる多重人格と考えていいでしょう。

 

登場する天使(女子高生)にはそれぞれ役割があり、たとえば「トウタカ アラソ」という女子高生は漢字で書くと闘鷹争となり、敵対する相手と戦う人格です。

 

 

結局何が言いたかったのか

 

正直、私もそこは理解できていません。

 

伝えたいことなどなかったのかもしれませんね。

 

「本当の」主人公である憑対弓立は解離性同一性障害であることが明かされていますが、映画では脚色があり現実の解離性同一性障害とは違うようでした。

 

※そもそも解離性同一性障害は人によって違いがあるため一言で表現できません

 

同じ障害に苦しんでいる人への理解を求める内容というわけでもなさそうですし、最終的に憑対弓立と門脇瀬名は結ばれますがそこに至った経緯が不明です。

 

「なんかかわいい子ががんばっていた映画」という楽しみ方が最も楽しめる考え方かもしれません。

 

 

矛盾点

 

この映画には矛盾点があります。

 

説明不足と言い換えてもいいでしょう。

 

とにかく、映画を観ているだけでは説明がつかない点があります。

 

 

突如フィールドが広がる

 

上記でも触れていますが、校舎に閉じ込められたはずが体育館の準備室で怯えていたら次のシーンでは学校外にいます。

 

 

いつから精神世界なのかわからない

 

「おかしな現象」は校舎に閉じ込められたところから始まっています。

 

ということは門脇瀬名が屋上で居眠りをしたところからスタートなのでしょうか。

 

ハンカチを返すために屋上にいたのですが、そもそもそんな約束はしていません。

 

屋上に行くシーンから精神世界でしょうか。

 

精神世界に「なりたかった人物」として瀬名が登場します。

 

ということは冒頭の瀬名がイジメを傍観しているシーンからすでに精神世界なのでしょうか。

 

 

町を出られない

 

町を出ようとすると狙撃されます。

 

なぜでしょう。

 

人格が消滅してしまう理由がわかりません。

 

単純に「見えない壁に阻まれる」ではダメなのでしょうか。

 

「自分の世界から離れようとした人格は抹消される」という意味でしょうか。

 

 

門脇瀬名が憑対弓立の精神世界での出来事を覚えている?

 

キスを拒んだ瀬名がラストでは受け入れているのですが、それまで憑対弓立の精神世界の話しかしていなかったはずです。

 

その精神世界では憑対弓立の「なりたかった人物」として門脇瀬名が登場していましたが、それはあくまで憑対弓立の空想した人格のはずです。

 

なので精神世界で起きた事を実際の門脇瀬名が知っているはずがないのです。

 

 

最後に

 

映画「放課後戦記」を観た私が意味がわからないなりに考察(?)してみました。

 

とりあえず、憑対弓立の精神世界を描いたものであることはわかりました。

 

精神世界での主人公である門脇瀬名は憑対弓立が妄想した「なりたい人物」のようです。

 

 

14人の天使たちがそれぞれキャラを活かせず退場していってしまい、説明不足感が強い映画となっています。

 

この映画の全てを理解するのは無理なのではないでしょうか。

 

私は「うすぼんやりとなんとなく精神を病んでいる少女の精神世界を体験できる映画」だと思いました。

 

個人的には「サイコスリラー」「サイコホラー」など心を扱う作品が好みなので、「放課後戦記」も意味がわからないなりに楽しめました。

 

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