2020年春に放送予定だった半沢直樹の2ndシーズン。
その前半は半沢直樹が東京セントラル証券に出向し、電脳雑技集団と東京スパイラルの買収騒動を中心にストーリーが展開されます。
そんな中、半沢直樹自身も疑問を口にした「なぜ電脳雑技集団は実力も関係性もない東京セントラル証券に買収アドバイザーの話を持ってきたのか」についてネタバレしていきます。
当記事は原作触接「ロスジェネの逆襲」を基に記述しています。
ドラマ版では一部設定が変更になる可能性がありますのでご注意ください。
電脳雑技集団の買収劇、初期段階のあらすじ
電脳雑技集団は同じIT業の東京スパイラルを買収することを考えており、そのためのアドバイザー契約を東京セントラル証券に依頼します。
東京セントラル証券ではもともとの担当者ではなく、ダメ社員の三木重行がリーダーを担当しアドバイザーチームが買収案を考えますが、案がまとまるまで電脳雑技集団に連絡をしなかったことで電脳雑技集団はアドバイザー契約を東京中央銀行に乗り換えてしまいます。
なぜ最初から東京中央銀行にしなかったのか
東京中央銀行は東京セントラル証券の親会社です。
親会社とはいえ、大きな取引を横取りするのは真っ当な取引とはいえません。
東京セントラル証券の内部情報が洩れていたということになります。
それ自体がまず問題です。
ですが、その話とは無関係に「なぜ最初から東京中央銀行に話を持って行かなかったのか」という疑問があります。
東京中央銀行の証券営業部のほうが能力が高いです。
しかも電脳雑技集団にとって、東京セントラル証券は特に懇意にしていた相手ではないので義理立てする必要もありません。
だったら最初から能力の高い相手に依頼すべきですよね。
東京中央銀行が知っていること・知らないこと
東京中央銀行は「銀行」なので電脳雑技集団の様々な情報を知っています。
電脳雑技集団の子会社の一つである「電脳電設」があるのですが、電脳雑技集団はこれを深堀りされたくなかったのです。
電脳電設とは
社内ネットワーク構築の周辺業務を請け負う子会社です。
電脳雑技集団は近年様々な業種に参入しており、電脳電設もその一つです。
元々は「ゼネラル電設」という名前の会社で、ゼネラル産業グループの一員でした。
それを電脳雑技集団が営業権を買い、社員もそのまま継続して雇用するという形で傘下に収めています。
真相
電脳雑技集団はこの電脳電設を使って粉飾決済を行っています。
具体的には、ゼネラル産業に対して評価額以上の金額で買収し、本来の評価額との差額を売上に上乗せする形で還元しています。
電脳電設(旧ゼネラル電設)を傘下に収めた際、費用は東京中央銀行から借りています。
今回の買収アドバイザーを東京中央銀行に依頼した場合、電脳電設を精査されれば粉飾の事実が明らかになってしまうという懸念がありました。
そのため、電脳雑技集団は自社や子会社の情報を持っていない東京セントラル証券にアドバイザー契約を依頼しようとしたのです。
最後に
2020年版半沢直樹の前半、電脳雑技集団による東京スパイラル買収劇において、当初東京中央銀行ではなく子会社の東京セントラル証券に話を持っていったのは、東京中央銀行が電脳雑技集団の粉飾に気付いてしまう恐れがあったからです。
子会社(東京セントラル証券)から親会社(東京中央銀行)への情報流出という大きな問題の裏で、電脳雑技集団にも後ろ暗い事実があるというやや複雑なストーリーとなっています。
今回も何人も裏切り者が現れたり、それぞれの過去の関係によって本来流れないはずの情報が流れたりします。
ドラマを流し見しているだけでは置いて行かれそうな内容ですね。
全話録画して何度か再視聴する必要がありそうです。