こんにちは。
猫の下僕です。
私は特に犯罪歴などありませんが、防犯カメラに映っているとなんとなく緊張してしまいます。
制服警官の前を横切るときも、できるだけ目をあわさないようにします。
ですが、私は至って真面目で善良な一般市民です。
とんでもない防犯システムががっちりマンデーで紹介されました。
なんと、カメラ越しに精神分析を行い、精神状態を可視化、不審者を炙り出すことができるのだそうです。
SF世界の防犯カメラですね!
目次
ELSYS社はロシアの国家機関
がっちりマンデーで紹介された、防犯カメラのELSYSJAPANは、ロシア政府機関であるELSYS社の技術を基に設立された会社です。
ロシアのELSYS社は犯罪心理学を研究しており、2001年のアメリカ同時多発テロにより、世界中のテロ・犯罪行為のためにその知識と技術を公表するようになりました。
ELSYSJAPANの防犯システム、DEFENDER-Xは、その技術を応用した、不審者の事前検知システムなのです。
DEFENDER-Xの仕組み
身体の振動を、膨大な過去データを基に解析し、精神状態を分析します。
これは、最近話題になりはじめた「人工知能」分野の応用のようです。
人工知能分野の一部である、機会学習を利用し、動画から犯罪を犯しやすい振動をしている対象をピックアップしています。
人工知能の利用で、単純に揺れが大きければ怪しいということではなく、揺れが少なくても怪しげなパターンも判別できるようです。
これまでの防犯カメラと何が違うのか
これまでは、あくまでデータの記録でした。
つまり、犯罪が起きてから犯人の映像を得るか、人がチェックして怪しい動きを検知するしかありませんでした。
それが、このシステムでは、事前に判断できるのです。
群衆の中から怪しい人物を見つけ出し、職務質問や尾行などで、未然に防げます。
犯人の記録という後追いでなく、未遂の段階で見つけられるというのは画期的ですよね。
リアルタイムのカメラ映像だけでなく、YOUTUBEの映像すらも検知可能
解析ソフトを使えば、過去の映像、つまり録画された映像からでも不審者を炙り出せます。
YouTubeなどの投稿動画のような解像度の低いものでもOKだとか。
これにより、DEFENDER-Xが導入されていない場所で起きた犯罪も、解析ソフトを通して後から追い詰めることもできそうです。
強面の怪しげな風貌でも、精神面が不審じゃなければ反応しない!
強面のELSYS JAPANの社長や、悪役俳優による怒った演技などでは無反応のDEFENDER-X。
振動で検知しているため、外見が怖かったり、本当は精神的に落ち着いている人は不審者として判断されません。
さらに、振動とはいえ、緊張による揺れもスルーします!
ロシアの技術、すごいですね。
DEFENDER-Xの実際の威力
2014年のソチ五輪では、各施設に131セット(カメラ2台+解析ソフト1台)を導入。
その結果、1日5人から15人を不審者として検知したとのことです。
1日最大270万人もの入場者がいたあの冬季オリンピックで、なんと92%もの精度で不審者を判断したとのことです。
ちなみに、不審者とは、薬物や酒・火薬などの持ち込みだけでなく、チケットを持たずに入場しようとした人まで含まれているのだとか。
検知率92%はどういう計算?
これは、DEFENDER-Xが「不審者だ」と判断した人のうち、本当に不審者だった人物が92%だったという意味です。
10人に1人のケースで、無実の方が検知されてしまっていますが、コンピュータが自動でチェックするにしては、かなりの精度と言えるでしょう。
取りこぼしはないのか?
DEFENDER-Xが「不審者」と判定した人のうち92%が不審者でした。
逆に、DEFENDER-Xが「不審者ではない」と判断した人のうち、不審者だった人はどのくらいいたのでしょうか。
ELSYSJAPANによれば、なんと脅威の0%!
すごいですね。
ただし、0%とした理由は、ソチ五輪期間中に犯罪行為がなかったためだそうです。
つまり、持ち込んではいけない薬物やお酒を持ち込み、こっそり楽しんだ人はカウントされていません。
さらに、チケットを持たずに入場した人の中にも、バレていない人がいるはずです。
そのため、不審者の取り逃しゼロというのは、ちょっと都合のよい判断と言えるでしょう。
軽微な犯罪は見逃している可能性が若干ありますが、テロ行為レベルの大きな事件は「未然に防げた」と豪語しても問題はなさそうです。
DEFENDER-Xの値段は?
防犯カメラ2台と、解析ソフトのセットで、250万円からだそうです。
事前に犯罪者を見分けて被害を減らせるのであれば、250万円程度などあっという間に取り返せそうですね。
どこで買えるの?
今のところ、一般流通はしていないようです。
代理店が見つかりましたが、ミサイル用品やダチョウエキスなど、怪しげな商品も売っていたので、ここで紹介するのは控えさせていただきます。
ELSYSJAPANに直接問い合わせてみる必要がありそうですね。
まとめ
・ELSYSはロシア政府機関の犯罪心理学研究施設
・ELSYSJAPANは日本の企業で、ロシアのELSYS社による研究成果を利用している
・DEFENDER-Xは人の振動を、人工知能によって不審者か否かを振り分けている
・不審者と判断された人物のうち、92%が危険人物だった
・値段は250万円から
以上です。
警察ではすでに試験運用が始まっており、大手警備会社でも自社システムに連携させているとのこと。
この技術により、犯罪が減っていきそうですね。
東京オリンピックでも導入される予定だそうです。
DEFENDER-Xが活躍したソチ五輪のように、犯罪無しになってほしいですね!