日本政府はバイクを日本からなくそうと
しているのでしょうか。
バイク業界でもっとも裾野の広い原付
(50ccバイク)が、2020年に大変なことに
なりそうです。
バイクの中で唯一手ごろな価格と簡単な
免許で乗ることができた原付も高嶺の花に
なってしまいそうですよ。
2020年には原付バイクは高級品になる
ホンダと並ぶ自動二輪業界の超大手企業
ヤマハ発動機の社長が、自社の決算説明会で
今後の見通しを語りました。
それによると、2020年にはじまる排ガス規制
によって、原付バイクの値段は20万円近く
まで上げないとコストが合わなくなり、
今以上に厳しい状況になるとの見通しです。
2020年排ガス規制
2020年、日本は欧州(ヨーロッパ)と
同等の排ガス規制を予定しています。
ヨーロッパではEURO5と呼ばれる規制と同等の
基準をクリアした新車でないと販売ができなく
なるため、これまで以上に製造コストがかかり
ます。
この結果、ヤマハの原付は20万円前後まで
引き上げることになりそうです。
環境保護のためとはいえ、値段が上がって
しまうと購入を控える人が増えそうですよね。
原付の新たなライバル
新たなライバルは、電気自転車です。
これまでは、原付のライバルは軽自動車
でした。
軽自動車は車の中では安価ではありますが
原付と比較すると高額であり、駐車場を
借りることや免許を取得することなどを
考えると原付に軍配が上がりました。
しかし、新たなライバルの電気自転車は、
免許不要で駐車場代もかかりません。
近所に買い物に行ったり、通勤に使う
というレベルの利用であれば原付より
便利です。
主婦層や若年層は原付から電気自転車に
乗り換える傾向が出てきているようで、
原付の販売台数は年々減少しています。
そんな苦境に立たされている上、さらに
排ガス規制で値段を上げざるを得ない
状況というのは泣きっ面に蜂ですね。
電気自転車は自転車としては高級品
ですが、10万円前後で購入できます。
原付バイクが20万円前後となれば、
その差はかなり厳しいですね。
ちなみに、国内出荷台数でみると
なんと2008年の時点で原付バイクよりも
電気自転車のほうが多くなっています。
ライバルではないとする意見も
ヤマハの社長は電気自転車の台頭が
原付苦戦の原因の一因としていますが、
全国オートバイ協同組合連合会の
大村直幸会長は真逆の説をとなえています。
会長によると、電気自転車の購買層は
通常の自転車から乗り換える高齢者と
高校生、そして原付や自転車を持って
いない完全な新規顧客に分かれるそう
です。
つまり、原付を所有している層が
乗り換えているわけではないので
電気自転車は原付のライバルでは
ないとしています。
・・・。
はたしてそうでしょうか。
たしかに、原付から乗り換えている
という調査結果はないようですが、
電気自転車の購入層が原付と
電気自転車を天秤にかけた結果、
電気自転車を選んでいるであろうことは
想像に難くありませんね。
原付バイクが不人気となったもうひとつの理由
上記の電気自転車問題とは別に、
もうひとつ、原付が不人気となった
理由があります。
それは、駐車違反の取締り強化です。
現在駐車違反を取り締まるのは
警察ではなく駐車監視員という民間の
業者になりましたよね。
2006年に道交法が改正(改悪?)され、
片っ端から原付バイクが取り締まられる
ことになりました。
しかし、取り締りが厳しくなったにも
かかわらず、駐輪場の整備は進んで
いません。
2018年現在でも、都内でバイクを停め
られるスペースは少ないのです。
自転車の駐輪場に停めることはできず、
かといって車の駐車場に停めるのも
できないのです。
移動そのものは簡単でも、移動した先で
停める場所がないとなると不便な乗り物
になってしまいますよね。
この結果、原付を手放す人が増えている
のだと思われます。
最後に
2020年の排ガス規制により20万円台という
高額な値段になる原付バイク。
ただでさえ電気自転車や軽自動車に
シェアを奪われている状態で、さらに
排ガス規制により製造費用がかかり
値段を上げざるをえない状況になって
しまいました。
国内からバイクを消そうとしている
のでしょうか。
ちなみに、125ccまでの原付2種が
自動車免許だけで乗れるようになる
という免許制度の改正は現時点では
「そうなったらいいな」程度の話で、
具体的な検討すらされていないようです。
個人的には、125ccどころか50ccでも
きちんと教習所で操作を習うべきでは
ないかと思っているのでこの免許改正は
反対です。
教習所やバイクそのものの値段が安く
なるという方向でユーザーを増やして
欲しいですね。