TBSドラマ「わたし定時で帰ります」の
ラストで東山結衣が灰原社長に直談判を
しています。
その際、社長がとんでもない発言をしました。
残業を極力減らし、産休や育休の制度も
充実しているいい会社だと思っていましたが
それはどうやら見せかけだけのようです。
社長が現場の声を常に聞いていない会社は
制度と現実にズレが出て働きにくい会社に
なってしまいますよね。
灰原社長とは
残業が当たり前のIT企業でありながら
働きやすい職場を目指し、残業を減らしたり
有給や育休・産休などの制度を整えてきた
社長です。
究極的には残業ゼロを目指しています。
演じている俳優や原作小説での様子は
こちらをご覧ください。
灰原社長、現場のことを理解していない
東山結衣が直談判した際、
環境も制度も全て整えた。
なのにみんな定時で帰らない。
有給を取ろうともしない。
どうしてだ?
と語っています。
こんなもの現場を一度でも見ればわかり
ますよね。
結衣たちのいる制作4部に関して言えば
無茶な案件をやらされ大炎上しているから
定時では仕事が終わらないんです。
そんなことさえ理解せずに制度だけ存在
しても利用できるわけがありません。
「環境を整えた」というのは制度が
存在するだけではなく定時で帰っても
仕事が回るようにタスクを管理することも
含まれるのではないでしょうか。
結局、社長から下の人間に伝言ゲームの
ように話がちょっとずつずれていき
最終的に末端の人間は過酷な働き方を
するしかないのが現状です。
現場の人はみんな不安
東山結衣は社長に向かって
現場の人たちはみんな不安なんです
と語っています。
居場所がなくなるんじゃないかと不安に
なりどんなに具合が悪くても休まなかったり
戻ってこれないんじゃないかと家庭を
蔑ろにして仕事に没頭したり、認められ
ようと無茶な働き方をして倒れた部下も
いました。
帰っても何もすることがないからと
会社に寝泊まりする同僚もいましたし
変わっていく世の中についていけず
昔ながらの接待となれ合いで仕事を
取ってくる上司もいました。
この人たちはみんな、誰にもその不安を
打ち明けられず働き続けています。
これらは結局、環境が整っていないから
発生する不安ですよね。
休んでもきちんと居場所があるという
ことがわかれば安心して制度を使う
でしょう。
結局社長は現場のことを見ずに絵に描いた
餅のような制度を作って満足している
だけの無能だったようです。
変わる社長
結衣が過重労働によって意識を失ったことを
聞いた灰原社長は自分自身が星印工場へ
乗り込み、「うちの社員に無茶な
長時間労働を強いる会社とは取引しない」
と啖呵を切っています。
ドラマではこのシーンがさらっと流された
ためによくわからないかもしれませんが、
本当は社長は決して気が強い人間ではなく
取引相手へ強く出たのもかなり無理をして
社員を守ろうとした行動です。
ドラマでは現場のことを知らない無能に
描かれましたが、原作小説では本気で
社員の幸せを考える立派な経営者でした。
最後に
TBSドラマ「わたし定時で帰ります」の
ネットヒーローズの社長が最終回で
現場を知らない無能のように描かれました。
制度だけ整えて利用しない理由を考えない
のは現実にもたくさんいる無能な経営者と
同じですね。
政治家もそうですが、制度を決める側の
人間は制度を利用する側の様子を知らない
ことが多すぎます。
「制度を利用しないのが悪い」ではなく
なぜ利用できないのかを知り、その障害と
なっているものを取り除くことが経営者に
課せられた課題のような気がしますね。