天気の子

天気の子の疑問 序盤のフェリーで穂高(ほだか)はなぜ雨の中、甲板に出た?危険すぎる!

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「君の名は。」で大ヒットした新海誠監督の新作映画「天気の子」。

 

映画版だけでは理解できないシーンがたくさんありますよね。

 

実は新海誠監督自身が執筆した小説版が存在します。

 

原作小説という表現はやや違いますが、映画には書かれていない登場人物の気持ちなどが書かれています。

 

当記事では小説版を基にわかりにくいのではと感じたシーンを補足していきます。

 

 

 

大時化のフェリーで甲板に出る危険行為

 

物語序盤、主人公の穂高(ほだか)がフェリーで東京に出るシーン。

 

大雨が降るというアナウンスが流れる中、穂高は船室に戻る客に逆行して甲板に出ていますね。

 

嵐に大喜びしていますが、直後にフェリーが傾いて危うく海に投げ出されるところでした。

 

あの大時化の中で海に投げ出されたら危険なのは誰もが理解できるはずです。

 

なぜ穂高はあんなことをしたのでしょうか。

 

 

甲板を独り占めできる

 

あのフェリーは5階建てでたくさんの乗客がいました。

 

穂高は最安値の二等船室、最下層の雑魚寝部屋で10時間の船旅の真っ最中でした。

 

晴れているときは甲板に一等船室の裕福な人たちが集まっていたため、雨なら甲板を独り占めできると考えていました。

 

 

心の解放感

 

当時、穂高は閉塞感に満ちた島から家出してきたばかりでした。

 

フェリーでは最安値の二等客室で、船のエンジンの隣の大部屋で硬い畳の上で雑魚寝をするような場所に押し込められた状態が10時間近く続いていました。

 

大雨で自分の叫び声すら聞こえない世界で、初めて心から解放感を得ていたのです。

 

安全に守られていることを閉塞感と勘違いするあたり、子どもらしい発想ですよね。

 

 

大雨+海の危険性について

 

言われるまでもなくほとんどの人が知っている事とは思いますが、天候が悪いとどんな大きなフェリーでも揺れるため甲板に出るのは危険です。

 

そして甲板はたいてい海に落ちないように柵がありますが、大時化の揺れでは役に立ちません。

 

大時化の時に甲板に出るのは非常に危険です。

 

 

ライフジャケットを着ていない?

 

「天気の子」で登場したあのサイズのフェリーに危険な時以外でも着用できるライフジャケットがあるかわかりません。

 

※私が10年ほど前に伊豆大島にフェリーで旅行した際にも最安値のチケットではライフジャケットがなかった気がします

 

ライフジャケットは格好悪いかもしれませんが、着用できるのであれば着用しておくべきですよね。

 

 

チキン南蛮とビールを「たかられた」

 

穂高は大雨の甲板で踊りくるった挙句、フェリーが傾いて海に落ちかけています。

 

そこを須賀圭介が助けています。

 

その後、フェリー内で最も高い1200円のチキン南蛮と980円する生ビールを「たかられた」と口にしています。

 

穂高は自分の命を2180円以下と考えているのでしょうか。

 

「大人なら遠慮すべきじゃないか」と考えるのは子どもらしい「誰もが自分を助けて当然」という甘い考えですよね。

 

なお、須賀圭介は最初から「恩を着せるため」に近づいたとされています。

 

穂高を家出少年だと見抜き、危険な状況で助けるというインパクトを残すことで東京での繋がりを持とうとしていたのです。

 

 

最後に

 

「天気の子」の序盤のフェリーでのシーンで、主人公・穂高は大雨のアナウンスが出る中で甲板に出て行きました。

 

それまで島で鬱屈とした日々を過ごしていたこと、そして島から10時間近い時間をエンジン横の雑魚寝部屋に閉じ込められていたことで感じていたストレスを解放したかったようです。

 

現実では大時化の海で甲板に出るのは危険すぎます。

 

穂高のようにライフジャケットも着ずに飛び出すのはあり得ません。

 

もちろんライフジャケットを着ていたとしても、大時化では海に落ちた際に海面に出られなかったり救助艇に見つけてもらえなかったりします。

 

「雨に濡れながら船の甲板に出る」をかっこいいと感じてしまう人は少なくないようです。

 

感極まっている人は気付いていないかもしれませんが、冷静になるとナルシストに見えて恥ずかしいのでやめましょう。

 

 

 

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