朝ドラ「スカーレット」第21話では喜美子の実家に泥棒が入りました。
犯人は父・常治が雇っていた若者2人です。
※若者二人を演じた俳優についてはこちらをご覧ください。
常治は誰が盗んだか想像はついていますが、いつものお人よしを発揮してすぐには警察に届け出ませんでした。
結局お金は取り戻せず、わずか1000円の給料の娘にたかりに行きました。
ネットでは常治の生き様に共感している方が多いようですが、私はこの父親が苦手です。
目次
常治は喜美子の給料が総額1000円だと信じていない?
喜美子はまだ荒木荘で働き始めて2か月経っていません。
1か月目の給料1000円は全額信楽に送りました。
父はその1000円というのを信じなかったのでしょうか。
喜美子は仕送りをした際に「見習いだから少ない」と説明していなかったような気がします。
もし説明していないのであれば、いくらなんでも1000円はおかしいと感じるのは仕方がありませんね。
娘にたかる父
「男には意地と誇りがある」と啖呵を切った常治はなぜか娘の金をあてにしまくっていますね。
そもそも今回泥棒を働いた若者2人を雇ったのも、喜美子が丸熊陶業で毎月10000円貰えることをあてにしていたためです。
さらに、喜美子が大阪に行ってからも仕送りをあてにして雇った二人に食事やお酒を振る舞っていました。
「意地と誇り」じゃなくてただの世間体が大事なお人よしでは?
草間宗一郎にお金を返したのも、自分が雇った若者をすぐに疑わなかったのも、「男の意地と誇り」でも「根が優しい」でもなんでもありません。
ただ世間に「この人はいい人だ」と思われたいだけではないでしょうか。
外面と家族で態度が違うのは意地でも誇りでもないですよね。
父親にとって娘は所有物?
娘が働くのは当然で、その給料を実家に仕送りして当然、さらには前借りしてでもお金を用意して当然という考え方は私には「娘を自分の所有物と勘違いしている」ように見えます。
ここからはネタバレになりますが、喜美子が陶芸家になろうと思ったり好きな人と付き合ったり結婚しようとしたりした際にはそのことごとくを反対しています。
娘が自分の思い通りに行動しないのが腹立たしいのでしょうね。
私が常治を嫌うのは自分の父に似ているから...
ここからはスカーレットには無関係な私自身の思い出話です
私がこの父親を嫌うのは、私自身の父が同じ発想の持ち主だったからです。
私の父は「教育とはまず否定することから始める」とでも言うかのように私の行動を反対してきました。
私の持ち物を勝手に持ち出して返さず、いつの間にか通帳を再発行して下ろしたりするような人でした。
そして何も知らないのに知ったかぶりをして口出しし、どんなブラック企業だろうと昔ながらの終身雇用こそが至高と考える人でした。
IT企業で働いていた際にはプロジェクトごとにクライアント先で働くのが理解できず「すぐに配置替えされるのはお前の能力が低いからだ」など素っ頓狂なことを言いだしました。
口答えする私のことが嫌いで、何度も「お前は俺の言う通りにすればいいんだ」と怒られた記憶があります。
一方で世間体が大事で、親戚を含めたお客さんが我が家に来た際には常に私たち子どもを否定するという「笑い話」をしていました。
お客さんがひきつった笑顔を浮かべながら私たちにフォローしてくれていたことを今でも覚えています。
私の父は戦争こそ体験していませんが、昭和の悪しき常識を平成になっても更新できていない人でした。
川原常治の言動は父を彷彿とさせます。
この「昭和の父親像」は見ていてキツいです。
最後に
朝ドラ「スカーレット」の第21話では喜美子の実家に泥棒が入り、お金がなくなった父・常治は喜美子に前借りをさせようと大阪へ来ます。
「自分のところで前借りすればいいのに」とも思いますが、おそらくは常治の運送業は独立しているのでしょう。
丸熊陶業は就業先ではなく取引先のようです。
そのため自分の会社から前借りをするという選択肢が取れないのでしょう。
とはいえ、わずか1000円しか貰っていない娘に前借りを強制しに行くというのはどうかと思いますよね。
私には世間にはいい顔をしておきながら娘相手に搾取し続けるこの姿はクズ親に見えます。