朝ドラ「スカーレット」の大阪編では喜美子が新聞社「デイリー大阪」から引き抜きの話を受けています。
給料が現在の5倍という破格の提示を受けて乗り気になっていますがこの「お金に目を眩んだ姿」に賛否両論ですね。
引き抜きの条件
喜美子が庵堂ちや子と話し合って要求した条件は以下の通りです。
月給5000円
※当時の大卒の初任給は6000円
毎週日曜日が休み
出社は9時から
住居の提供、または家賃補助
現在の荒木荘の労働環境は以下の通りです。
月給1000円
※見習いのため。大久保のぶ子がいなくなったら収入up予定
定休なし
朝は4時から夜は全住人が寝るまで
住居・まかないつき
条件面は圧倒的に新聞社が上ですね。
荒木荘は現在見習い中のため、給料が上がることは約束されています。
ですが女中の仕事というのはスペシャリスト(たとえば大久保のぶ子クラス)になっても高給取りにはなれません。
お金かぁ。結局んとこそれか
医大生・酒田圭介はお金を最優先にした喜美子の判断に難色を示しています。
現実でも「お金第一主義」を嫌悪する人はとても多いですよね。
劇中でも「それはお金に苦労したことがないから」と指摘されています。
私もそう思います。
「お金より大事なことがある」というのは最低限の文化的な生活が保障された上での話です。
そして「最低限の文化的な生活」というのはかなりのお金が必要です。
荒木荘を取る理由がない
給料が低く、労働条件も過酷で、将来の展望が見えず、何よりも喜美子自身が望んでやりたいわけでもない荒木荘は現時点でメリットが一つもありません。
酒田圭介は「結局んとこそれかぁ」と喜美子の選択をバカにしていますが、荒木荘には「お金より優先したい何か」はあるのでしょうか。
そしてその何かは荒木荘を辞めたら手に入らないのでしょうか。
月5000円という給料が約束され、さらに新聞社から家賃補助を受けられるのであれば荒木荘に住人として戻ることも可能です。
となれば住人たちと離れることもなくなります。
どんなにええ条件言うても職場に合う合わんちゅうのがあんねんな
お金を最優先する人が二言目に言い出すのがこのセリフですよね。
※田中雄太郎のセリフで、雄太郎自身はどちらかというと喜美子に賛成の立場です
「お金の条件がよくてもブラック企業だったら意味がない」というのはわかります。
わかりますが、喜美子の場合は荒木荘が壮絶なブラックです。
もちろん新聞社の仕事にも人間関係がうまくいかなかったり、想像していた以上に過酷な労働を強いられる可能性もあります。
ですが荒木荘クラスの職場はなかなかないですよね。
第19話では田中雄太郎が「試しに働いてみる」という提案をしています。
現実の会社でもこれができるといいですよね。
喜美子のその後をネタバレ
朝ドラのタイトルがすでにネタバレをしていますね。
ちなみに第4週のタイトルは「一人前になるまでは」です。
喜美子はお試し出社までして労働環境を確認しましたがなんと荒木荘を選択します。
その理由は「まだ大久保のぶ子に一人前と認められていないから」です。
昭和らしい考え方ですよね。
今でもブラック企業を辞めようとすると似たようなことを言われるそうです。
私はすべての条件が上の新聞社に行かないという選択肢はもったいないと感じます。
なお、その新聞社「デイリー大阪」ですが、編集長が引き抜きにあうことで壊滅的な状況になります。
庵堂ちや子も転職します。
この結末を知っていたら荒木荘を選択するのは正解ですね。
※第19話時点では庵堂ちや子どころか編集長自身もその未来を知りません。
最後に
朝ドラ「スカーレット」第19話では喜美子に新聞社から引き抜きの話が出ました。
給料や労働条件がかなりの好待遇です。
医学生・酒田圭介は「結局金か」と喜美子の選択に難色を示していますが、私が同じ立場だったら喜美子同様即決で新聞社に行きます。
現実世界でもすぐ辞める若者を否定的に捉える人は多いですが、一つの職場に意味もなくしがみつくのは間違っています。
お金や労働環境がよければ転職はするべきです。
お金より大事なものが存在するのであればそちらを優先するのもありでしょう。
ですが私には荒木荘で働くことがお金より大事だとはどうしても思えません。