HISという旅行業者をご存知ですか?
現在の格安旅行業者の先駆けともいえる
企業です。
私は海外旅行が好きで、特に東南アジアは
学生の頃からバックパッカーとして旅して
いました。
その頃によくHISを利用しており、何度も
魅力的な海外へと私をいざなってくれました。
そんな素晴らしいサービスを提供してくれる
企業が、まさかのブラック企業入りとは。
驚きとともに、その理由を知りたくなり
ます。
調べてみると、たしかにブラック企業だと
納得している人が多いようです。
HISがブラック企業だとされる理由
違法な残業を強いたことがブラック企業
リスト入りの理由です。
HISは、その仕事内容からのんびりとした
雰囲気を感じる人がいるかもしれませんが、
実は超体育会系な企業です。
上下関係が非常に厳しく、上司や先輩の
意見に逆らうことができなかったり、
上の人から「成果が上がる見込みが薄い」
と放棄した仕事を押し付けられたり。
事業所によって違う部分もあるかとは
思いますが、飲みニケーションが今なお
残っていると証言する従業員もいます。
違法な残業が明るみに
2017年6月14日、HISは労働基準法違反の
疑いで書類送検されています。
36協定(サブロク協定)と呼ばれる
時間外労働に関する規定を超えて違法に
残業をさせていた疑いです。
実際にどの程度残業時間があったのか
公表されていませんが、HISで
働いている友人に聞いてみたところ、
基本的に自分で取ってきた契約は自分で
処理をするため、がんばればがんばるほど
残業時間が増えていくとのことです。
もちろん、実際には一人だけで作業を
するわけではなく、チーム単位で活動
するため、作業は多少は分担できる
ようですが、特にGWや夏休みなどの
ピークは大変なことになるようですね。
年収が低い!?
拘束時間の割には、給与はかなり低い
です。
基本給とは別に、インセンティブも
あるにはあるのですが、HISはご存知の
ように安さで勝負している旅行業者です。
そのため、インセンティブもそれほど
大きくはないです。
対個人ではなく、社員旅行などの団体
であれば一度に多くのインセンティブが
発生するかもしれませんが、昔ほど
羽振りのいい企業も多くないですし、
特に閑散期などは生活するのがやっと
という状況になるようです。
旅行業者は自転車操業?
過去に「てるみくらぶ」という旅行業者が
倒産したことを覚えている方もおられる
かもしれません。
あの旅行業者も、薄利多売型で苦しんで
いました。
格安旅行業者が乱立した結果、価格競争
によって利益が圧迫され、その結果
従業員の給与はかなり寂しくなっています。
HISに限らず、旅行業者はどこの会社も
苦しいようですね。
HISの給与が低い理由は○○がないから!?
2017年2月時点では、HISには労働組合が
存在しません。
労働組合は、給与や残業時間などの労働環境を
企業側と交渉する労働者の連帯組織です。
この労働組合がないということは、
HISの従業員たちは会社の言いなりと
いうことです。
会社対個人ではどうしても会社のほうが
強く、個人の主張は簡単に握りつぶされて
しまいます。
HISは1980年に創業し、現在は東証一部に
上場している非常に大きな企業です。
もっと早い段階で労働組合が作られても
いいような気がしますね。
最後に
私にとって思い入れのあるHISという
企業がブラック企業リスト入りとなり
驚いています。
HISは、旅行者にとって海外へと繋いで
くれる魅力的な企業です。
できれば、そこで働く従業員の方々に
とっても、魅力的な企業であって欲しい
ですね。
以前の違法な残業に関しては、現在は
状況が改善されていると発表されています。
労働組合を設立しようという動きも
あるようです。
労働環境がよくなっていくよう祈っています。