夏休みが近づく7月に、突然雹(ひょう)が
降ってきたというニュースが報じられることは
珍しくありませんね。
暑い夏に、なぜあんな大きな氷の塊
が降ってくるのでしょうか。
ひょうが降るのであれば、霰や雪も降っ
たりすることもあるのでしょうか。
目次
真夏に雹(ひょう)が降る原理
ひょうは、入道雲の中で生成されます。
高さは1万メートル近くあり、ときには
成層圏下部まで達するため、入道雲内の
気温は夏であってもマイナスになります。
そのため、水分が凍り、地面に向けて
落下していきます。
しかし、入道雲の中は激しい上昇気流が
発生していますので、地表に近づくと
上昇気流に煽られ、小さな氷の粒は
再び上空へと舞い上がります。
その際、地表の熱で氷の表面が溶け、
さらに周囲の水分が集まって凍って
いくことで、入道雲の中でどんどん
氷の粒は大きくなっていくのです。
最終的に、上昇気流で舞い上がれない
ほどの重さになった氷が、地面に落下
していきます。
通常、地面に落ちる前に溶けて水になる
ため、入道雲からは雨が降ってくることが
多いです。
しかし、入道雲の中で何度も成長を繰り
返し、地面に到着するまで溶けきれない
サイズになった場合、ひょうとして
氷の塊のまま落下してきます。
今回のひょうも、一部ではゴルフボール
くらいの大きさのものまであったようです。
雪のように小さな結晶と違い、大きな
塊になっているため、直撃すると怪我を
します。
傘で守ることもできないので、建物の
中に非難するようにしましょう。
ひょうは冬より夏のほうが降りやすい!?
上述の通り、ひょうは入道雲の中で何度
も上下することで大きくなっていきます。
入道雲が発生しにくい冬より、夏、または
春・秋に多く降ります。
なぜ入道雲は夏に多い?
入道雲(または積乱雲)は、多くの場合
地表と上空の温度差が大きい場合に大気が
不安定になることで発生します。
気体は暖かければ上へ、冷たければ下へ
移動する性質があります。
※正確には、温かいほうが軽くなります
そのため、夏の地表に熱せられ地面付近の
空気と、上空の冷えた空気が入れ替わろ
うとする動きで複雑な大気の動きとなり、
激しい上昇気流が発生するのです。
このことから、地面が熱くなる夏のほう
が入道雲・積乱雲が発生しやすいのです。
ひょうとあられの違い
空から降る氷の塊といえば、ひょう以外に
あられというものもありますよね。
このふたつの違いはわかりますか?
実は、このふたつの違いはサイズだけです。
直径5mm以上のものがひょうと呼ばれ、
直径5mm未満のものがあられと呼ばれます。
あられにはさらに2つの分類があり、
雪あられと氷あられにわけられます。
雪あられ
雪の周囲に水滴がついたものです。
大気中の水分が雪にくっつくことで
発生しますので、気温が0度近い冬に
よく発生します。
白く、不透明な粒となります。
氷あられ
一方、氷あられは、ひょうと同じように
生成されます。
つまり、入道雲や積乱雲の中で氷の
粒が大きくなっていき、5mm未満で地表
に落下を始めたものが氷あられです。
夏に発生する氷
ということで、夏に降る可能性のある
氷の粒は、ひょうと氷あられになります。
雪と雪あられは、気温が0度前後のときに
降るため、夏に降ることはありません。
ひょうの被害に対する保険はある?
かなりの大きさの氷の塊が落下して
くるため、家や車の被害も甚大です。
しかし、ひょうは所謂「天災」といえる
ため、保険が効かないような気がして
いませんか?
実は、意外にも補償されるタイプの保険も
多いのです。
家屋の保険(火災保険)
火災保険は、火災だけが補償の範囲では
ありません。
自然災害も広く補償してくれますので、
ご自身の保険を確認してみてください。
ひょうによる被害は「雹災」という
項目になります。
車両保険
屋根のあるガレージに停めているなら
いいのですが、野晒しの駐車場に置いて
いたり、運転中にひょうが降ってきて
しまった場合、車への直撃は免れられ
ませんよね。
氷の塊がぶつかれば、ヘコみはしない
ものの傷だらけになってしまいます。
車両保険で、「飛来物との衝突」に
対する損害補償が付与されていれば、
傷やガラスの破損などの補償が受け
られます。
屋根に積んでたものは補償される?
冬であればスキーやスノーボードを
屋根に積んでいる人をよくみかけます
よね。
夏だとサーフボードなどになるでしょう
か。
これらも、車両保険の種類によっては
補償対象となります。
「身の回り品補償」という形の特約が
ついているか、確認してみてください。
なお、保険会社によって名前が違う
ため、わからない場合は保険会社に
直接問い合わせるのが早いです。
最後に
ということで、なぜ夏にひょうが降る
のか。
そしてひょうによる被害への保険に
ついて調べてみました。
自然災害は保険の対象外になっている
イメージでしたが、意外にもしっかり
補償されるようで安心しました。
ただし、あくまで一般的・平均的な
話ですので、あなたの加入している
保険でも適用対象内であるかどうかは
確認が必要です。
いざというときにあせらないように、
今のうちに確認しておきましょう。