東京湾の青潮ですが、現時点(6月19日)
では漁業に影響はないようです。
「現時点では」ということは、仮に
青潮発生期間が長引くと影響が出てくる
ということなのでしょうか。
また、あと1ヶ月で夏休みに入ります。
海水浴などへの影響もあるのでしょうか。
目次
青潮はいつまで続く?
例年、青潮は発生するとだいたい1週間
かけて元の海へと戻ります。
青潮は、異常発生したプランクトンの
死骸が様々な過程を経て硫黄酸化物が
海中に発生し、それが太陽の光を反射
する際に乳青色へと輝きます。
そしてこの硫黄酸化物が海水と混ざり
あい、薄まっていくことで青潮は鎮火
していきます。
青潮発生から留まっている硫黄酸化物
が薄まるのが約1週間かかるという
ことになります。
長引く可能性は?
青潮は、発生した段階でプランクトンの
異常発生は止まっています。
プランクトンは生き物のため、酸素が
なくてはなりませんが、青潮が発生する
過程で海水中の酸素が極端に少なく
なります。
そのため、青潮が発生した時点からは
その原因である酸化硫黄物が薄まるのを
待つだけとなります。
薄まる速度は、海流などによって新しい
海水が流れ込む量によります。
そのため、基本的には同じ地域で発生
した青潮は、過去の現象と同じ期間で
鎮火されると考えて問題ありません。
ですので、今回の青潮も長引くことは
考えにくく、1週間程度で元の海に
戻るはずです。
青潮の中で海水浴はできる?
まず、硫化水素は人体にとって毒です。
青潮には、酸化硫黄物だけでなく、酸化
していない硫化水素も多く含まれています。
この酸化していない硫化水素が、青潮の
異臭(卵の腐った臭い)の原因です。
そして、この硫化水素は皮膚への刺激や
呼吸麻痺などの症状を起こすことが
あります。
海に硫化水素がある危険性
温泉街やスキー場などで、無警戒で
近づいた客が昏倒する事件が時々報道
されていますよね。
仮に、海で昏倒したとしたらどうなる
でしょうか。
足がつく場所であっても、意識を失い
横たわってしまえば海中に没します。
ということで、青潮が発生している
間は海水浴は不可能です。
そもそも、あの腐卵臭の中で呑気に
海水浴をしたいと考えられる人は少ない
でしょう。
青潮は年に数回発生することもあり
ます。
今回の青潮は、6月中には解消される
見込みですが、海開きの後にも再び
青潮が発生する可能性もあります。
そんなときは、無理せず海水浴を中止
しましょう。
青潮で東京近海が沖縄のような青い海に!?
青潮は、透き通った青ではなく、乳青色
です。
ネット上ではバスクリンのような色と
話題になっています。
画像や動画では、臭いまで伝わらない
ため、バスクリンのお風呂を想像して
なんとなく気持ちよさそうと感じて
しまうかもしれません。
ですが、現実に青潮の海を見ると、
決してキレイな海とは言えません。
さらに、再三お伝えしている通り、
卵の腐った臭いが充満しています。
温泉であれば、硫黄臭が効能を想像させ
てくれるので、むしろいい匂いと言え
なくもありませんが、青潮のそもそもの
原因は、異常発生したプランクトンの
死骸です。
そう考えると、沖縄のような透き通った
キレイな海と比べることはできませんね。
海水浴場に青潮が発生することはある?
まず、東京湾内に海水浴場はありません。
そもそも、青潮が発生するのは海水の滞留が
起きる湾内などです。
海水浴場は太平洋や日本海に面した場所
であることが多く、海水が滞留するよう
な場所ではありません。
ですので、海水浴場に青潮が発生する
ことはまずないと考えてよいでしょう。
青潮の発生を防ぐことは可能?
理論上は可能とされており、そのために
行政は多くの取り組みを行っています。
工場排水や生活排水の浄化による水質
改善で、プランクトンの異常発生を防い
だり、海水が滞留しないように海底の
くぼ地を埋め立てたりしています。
ですが、特に東京湾では今でも毎年
必ず青潮は発生してしまいます。
水質改善と海底改善によって青潮が
なくなれば、近海の魚介類やアサリ
などの貝も安定して獲れるようになる
はずです。
ぜひこれからも頑張って活動していただ
きたいですね!
最後に
赤潮と比べると、若干知名度の低い青潮。
例年通りだと、だいたい1週間で解消
されます。
影響としては、例年通りだとすると
アサリへの被害が発生しそうです。
青潮現象が発生している中での
海水浴は非常に危険です。
海水浴場は青潮が発生する条件から
離れているので、青潮が原因で
海に入れなくなることは少ないと
考えていいのではないでしょうか。