睡眠不足に困っていませんか?
忙しい現代人のほとんどは、もっと
たくさん寝たい、睡眠時間が足りないと
考えているのではないでしょうか。
目覚ましをかけずにいつまでも眠れたら
幸せですよね。
睡眠不足問題についての第一人者・西野精治の
解決方法を紹介します。
目次
西野精治スタンフォード大学医学博士
あのスタンフォード大学で、医学博士として
睡眠について研究している方です。
突然眠りに落ちてしまう、ナルコレプシーの
発生メカニズムを突き止めています。
それ以外にも、睡眠の謎を解き明かし
社会に還元することを命題としています。
西野精治博士の所属するスタンフォード大学
睡眠研究所は、多くの睡眠研究者を
排出し、世界最高の睡眠研究機関と呼ばれて
います。
そんな西野精治博士は睡眠不足のことを
睡眠負債と呼ぶことを提唱し、その危険性を
呼びかけています。
睡眠負債とは?
不足ではなく負債と呼ぶのは、金利などの
ように足りない睡眠を取り戻すのには
不足分以上の睡眠時間を必要とするため
です。
つまり、睡眠が足りないということは、
その場限りの問題ではなく、蓄積して
恐ろしいダメージとなるのです。
睡眠負債の危険性
生活習慣病の罹患率が上がります。
さらに、精神疾患の発生率も上がるなど
脳へのダメージが大きいことがわかって
います。
脳へのダメージは、その他の臓器の
ダメージと違い回復が困難です。
適切な睡眠時間は、7時間から8時間と
言われており、仮に6時間睡眠を
14日間続けると、脳は2日連続で徹夜
したのと同等までダメージを受けると
言われています。
負債?じゃあ貯金もできる?
睡眠貯金、つまり寝貯めはできるので
しょうか。
結論から言うと、できません。
人間の体内時計が狂い、身体や脳への
負担が大きくなるため逆効果になると
言われていますよね。
具体的には、平日忙しい方が土日に
寝貯めしようとすると、
・土曜日の昼頃まで寝る
・起きるのが遅いため、眠くなる時間が
遅くなる
・寝る時間が遅いため、日曜日はさらに
遅い時間に起きることに
・日曜も起きる時間が遅いため、眠く
なる時間がさらに遅くなる
・しかし、月曜日に起きる時間は決まって
いるため、月曜日から寝不足になる
どうでしょうか。
思い当たる節があるのではないですか?
実は、居眠り運転等の交通事故は月曜日が
多いようです。
月曜日のダルさは、この寝不足が大きな
原因となっていることが多いです。
寝貯めをしたから日曜の夜から月曜の朝
までの睡眠時間が短くてもいいというのは
勘違いです。
寝貯めはできませんので、日曜日は早く
寝て、月曜日に備えましょう。
最適な睡眠時間は
人間に必要な睡眠時間は、7~8時間と
言われています。
しかし、社会人でそれだけの睡眠時間を
確保できる人は少ないはず。
どうしたらいいでしょうか?
まとめて時間が取れないなら、昼寝と
いう選択肢も存在します。
昼寝の有効性
海外ではシエスタなど、仕事の効率を
上げるために有効であることは広く
知られています。
日本では根性論がまかり通っていた
こともあり、昼寝=怠け者という認識と
なってしまっています。
そのため、仕事中に昼寝をすることは
できません。
ではどうしたらいいでしょうか。
適切な昼寝
15時頃までに、15分から20分程度の
短い時間で寝ることが重要とされて
います。
仕事中に昼寝をする時間がとれない
のであれば、昼休み中に少し時間を
取るのがいいでしょう。
長くなりすぎると、本格的な睡眠と
なってしまうため、逆に疲れてしまい
ます。
横になると、そのまま深い眠りに入って
しまうことがあるため、椅子に座るなど
リラックスしつつもすぐに起きられる
体勢がいいでしょう。
究極の昼寝・マイクロスリープ
一瞬の寝落ちのことを、マイクロスリープ
と言います。
単調な作業をしているときに、カクンと
一瞬意識が飛ぶアレですね。
会議中や、車の運転中にこれが発生する
のは非常に危険ですが、実はかなりの
疲労回復効果があるのです。
3時間しか寝なかったあの有名な
ナポレオンも、マイクロスリープの
使い手だったと考えられています。
自力で発生させるマイクロスリープ
安全な場所で、意図的に発生させて
脳を回復させましょう。
横になると長く寝入ってしまうため、
椅子に座るか立ったまま行います。
目を閉じ、リラックスしましょう。
雑念を払い、脳を休めることを意識
します。
マイクロスリープに入る前に、意識して
力を込める→脱力するという作業を
繰り返すとリラックスできますよ。
睡眠の質を高める
昼寝やマイクロスリープなどを取り入れ
つつも、やはりメインは夜の睡眠で
あることを忘れてはいけません。
時間が取れないのであれば、質を
上げましょう。
睡眠の質を上げるには5つの要素が
重要です。
音
静かな空間で寝ましょう。
40デシベル以下が望ましいです。
うるさい場所で寝なければならない
場合は、耳栓がいいでしょう。
安くて高機能なモルデックスがコスパ
最高です。
光
寝る前に強い光は避けましょう。
脳が昼間と勘違いし、深く寝ることを
拒否してしまいます。
できれば寝る前1時間から30分以内は
PCやスマホなど、光を発生させるものを
遠ざけるのが重要です。
温度
暑かったり寒かったりすると深い睡眠は
取れません。
夏は25度、冬は15度程度が最適です。
もちろん、これは一般的なものなので、
この温度では暑い・寒いと感じるならば
調整が必要です。
重要なのは、快適な温度で寝ることです。
香り
リラックスできる香りは脳を休ませる
のに最適です。
好きなアロマを炊いてみましょう。
最近は加湿器にアロマオイルを使える
ものも増えてきています。
寝具
一人ひとりにあった寝具を、できれば
オーダーメイドで作るのが望ましいです。
流行の低反発マットレスも、合わない人は
肩凝りなどに悩まされることになります。
人生の1/3から1/4ほどの時間を過ごす
寝具には、それ相応のお金をかけるべき
でしょう。
黄金の90分
西野精治博士が提唱する黄金の90分。
睡眠で90分というと、レム睡眠・ノンレム
睡眠を想像しますね。
ですが、西野精治博士の黄金の90分は、
それとは違い、入眠開始からの90分を
示しています。
この最初の90分のノンレム睡眠をいかに
深くするかが、自律神経を整えるための
カギとなるのです。
どんなに長時間寝ても、この最初の90分が
崩れていれば質は上がりません。
できれば、毎日のリズムを作り、いつも
同じ時間に寝て、同じ時間に起きるのが
快適です。
また、日付が変わる前、可能であれば
23時には就寝するのがおすすめです。
快適に睡眠へ入るには
最後に、ふとんに入ってもすぐに寝付け
ない方へ、脳と体をリラックスさせる
方法をお伝えします。
起きている間は、体は自然と力が入って
しまっているもの。
それを緩めることで、リラックス効果が
うまれ、睡眠に落ちやすくなります。
具体的な方法
まず、全身の力を抜いても危険ではない
場所を確保します。
背もたれのある椅子や、ベッドの上が
いいでしょう。
椅子の場合は、できれば足が地につかず
完全に足の力を抜けるものが好ましいです。
まずは、5秒ほど全身に力を込めます。
足のつま先から、おなか、肩、表情まで
全身の力を入れましょう。
自分が「力を入れている」ということを
意識しながら5秒キープしたら、一気に
脱力します。
体が溶けていくようなイメージをすると
いいです。
これを3セットほど繰り返せば、驚くほど
身体と心がリラックスできるはずです。
ぜひお試しください。
最後に
少し長くなってしまいましたが、
西野精治博士の提唱する睡眠負債と、
その解消方法についてまとめました。
日常が忙しく、いつも睡眠が足りて
いない方々が、少しでも快適に過ごせ
るようになれば幸いです。
上手な睡眠で元気に過ごしていきましょう!