2019年夏ドラマ「スカム」ではオレオレ詐欺が
テーマに取り上げられています。
「オレオレ詐欺に引っかかるやつはマヌケ」
そう思っている人が多いですよね。
私もそうでした。
しかし初期の頃ならいざ知らず、今は
かなり進化しているそうです。
なんと電話で開口一番、本当の息子の
名前を名乗る上、奥さんや職場の名前、
さらには親しい上司や同僚などまで
登場することがあるそうです。
さらに、被害者の中には「オレオレ詐欺
だと確信していた」にも関わらずお金を
支払っているケースまであるようです。
目次
一昔前のオレオレ詐欺
「オレオレ詐欺」の名前の由来は
詐欺師が電話口で「オレオレ」と名乗り
受けた側が「さとしかい?」と名前を
言ってしまうことで深みにはまることから
名づけられた名称ですよね。
つまり、息子からの電話で名前を名乗って
こない場合はオレオレ詐欺だと判断できる
はずでした。
詐欺師は手あたり次第電話をかけている
ため、以下のような笑い話のような
出来事まであったとかなかったとか。
詐欺師「もしもしオレオレ」
母「あら、たかしかい?」
詐「そう、たかし。母ちゃんごめん。
俺会社で大失敗しちゃって・・・」
母「たかし・・・」
詐「今日中に30万必要なんだ・・・」
母「たかし、あんた・・・仕事してたのかい?」
詐「・・・」
母「・・・」
ハローページなどで高齢者の女性らしき
名前に片っ端から電話をしていたため
このように息子がニートだったりそもそも
息子が存在しないパターンがありました。
ちなみに私もあるとき「お兄ちゃん、私?」
という「ワタシワタシ詐欺」がかかって
きたことがあります。
もしかしたら突然できた「義妹」なのかも
しれないと思って少し話に付き合いましたが
妊娠してしまって親に内緒でおろすお金が
必要だったと言い出したので「俺の妹は
そんなことしない!!」と言って切りました。
私の妹は空想上にしか存在しません。
最近は名前だけでなく家族構成や会社のことまで把握している
現在主流のオレオレ詐欺では名前を名乗り
具体的な会社の名前や奥さんの名前を
詐欺師側が口にするそうです。
なぜ?
オレオレ詐欺グループは精度を上げるため
ハローページなどのような適当な名簿を
使うのではなく、しっかりと家族構成などを
調べたものを使っているようです。
「表の名簿屋」から購入した「お金持ち」の
リストから、「調査部隊」が一軒一軒
対面調査をしているのです。
国勢調査を装ったり、高齢者の安否確認や
不安解消のための善意の団体を名乗ることで
相手に警戒心を抱かせずに個人情報を
調べています。
もちろん警戒して答えない人もいますが、
「騙しやすい高齢者」というのはこの手の
調査に親切に答えるタイプなのだそうです。
「不安はない?」「困ったことはない?」
などとお茶菓子を手土産に持ってくれば、
一人暮らしで話し相手のいない高齢者は
部屋に上げてくれることすらあるとの
ことです。
劇場型詐欺
オレオレ詐欺は劇場型詐欺だと言われる
ことがありますよね。
これはまさにその通りで、かなりの
演技力が必要となります。
といっても、「息子のマネ」をする
わけではありません。
オレオレ詐欺は3人1組で行われる
のですが、息子役はほとんど喋りません。
最初に名前と発生している問題を
軽く説明した後は混乱しているフリを
するだけです。
演技力が必要なのは他の2人です。
1人は被害者または被害者の関係者です。
「痴漢」であれば被害者の親、「不倫」
であれば被害者の旦那といった具合です。
「キレ役」とも呼ばれ、尋常ではない
激昂ぶりを見せます。
この役はお金を要求しません。
むしろ「いくらお金を積まれても
許さねぇ」と言い出し、聞いている側は
命の危険すら感じるほどです。
残りの1人は第三者の仲裁役です。
弁護士や駅員などが該当します。
こちらはキレ役を宥め、「なんとか
お金で解決できるようにしてあげます」
とささやく役です。
詐欺だと確信してもお金を払ってしまう理由
初期の頃の「オレオレ詐欺」とは異なり
かなり演技力の上がっているオレオレ詐欺
ですが、それでも気付く人は気付きます。
しかし、気付いた上でお金を払うケースが
多いようです。
理由は「詐欺師が詳細な情報を持っている」
という点です。
一般人からしたら詐欺師グループは
何をするかわからない凶悪な犯罪者です。
そんなグループに息子の名前だけでなく
住所、会社名や奥さん、さらにはその子ども
(孫)の名前まで知られているとしたら
どうでしょうか。
特に「キレ役」は同じ人間とは思えない
激昂ぶりを見せています。
下手に刺激したら取り返しのつかない
ことになるという恐怖を感じるのです。
その結果、詐欺だとわかっていても
息子たちに危害を加えられないように
お金を払ってしまうのだそうです。
オレオレ詐欺グループが直接危害を加えることはまずありえない
オレオレ詐欺グループは「ウケ子」と
呼ばれる現金の受け取り者を除いて
基本的に人前に出ることはありません。
ですので失敗したからといって報復に
動くことはまずありません。
単純に報復してもお金が入りませんので
さっさと新しい標的を狙ったほうが
トクなのです。
だからオレオレ詐欺に気付いたら安心して
警察に訴えてください。
オレオレ詐欺グループに説教をするなど
煽るようなことをしなければ報復は
ありません。
最後に
進化した「オレオレ詐欺」の手順を
紹介しました。
息子の名前どころか会社や奥さんの
名前まで出されたら多少声が違って
いても本人かと思ってしまいますよね。
さらには「キレ役」の非人道的な恫喝で
報復の恐怖を感じることもあるでしょう。
ですが安心してください。
オレオレ詐欺グループは報復行為を
するようなヒマな人たちではありません。
お金が取れないとわかったら次の標的に
移るので息子やその関係者が危険にあう
ことはまずありません。
恐怖に屈せず、勇気をもって警察に
届出ましょう。
一般の方は警察を「事件が起きてから
しか動かない不甲斐ない団体」だと
思っていますが彼らもやるときはやり
ます。