人気ドラマ、下町ロケット。
阿部寛扮する佃航平が下町にある小さな
企業でロケットを打ち上げる部品を作ったり
心臓弁のバルブを作ったりしています。
2018年版では新たにトラクターの
トランスミッションにも興味を持って
いますね。
ところで、社会人の視聴者からは
ドラマとしてはいいけど実際に働きたくない
という声が多く上がってきていますよね。
あなたはどうでしょうか。
社員を大切にする人情味のある佃社長の
もとで働いてみたいですか?
それとも・・・
目次
佃製作所はブラック企業なのか
まずはブラック企業の定義を確認して
みましょう。
「日本の人事部」というサイトによると
従業員に対して、心身の過重負担や
極端な長時間勤務など劣悪な環境での
労働を強いて改善しない体質をもち、
それゆえに入社を勧められない、
あるいは早期の退職が勧奨されるような
企業を総称する言葉です。
若者の雇用悪化を背景に、ここ数年、
インターネットなどを通じて広まり
浸透しました。
具体的には、労働法や関係諸法に
抵触する可能性があるグレーゾーンな
条件での労働や違法性の濃い営業行為を
意図的・恣意的に従業員に強いたり、
いわゆるパワーハラスメントを常套手段
として本来業務とは無関係な部分での
非合理的負担を従業員に強制したりする
企業や法人を指します。
引用:日本の人事部
このようになっています。
最近のブラック企業の定義
上記は2013年に作成された内容です。
最近では特にネット上での定義はもっと
厳しくなっています。
・残業の定常化
・社長による会社の私物化
・低い給与
・休日出勤
これらが多いとブラック企業とされる
ことが多いですよね。
佃製作所のブラックな部分
さて、では実際に佃製作所のブラックな
ところをチェックしていきましょう。
残業の定常化
従業員の軽部真樹男は何があっても
定時で帰る男です。
しかし彼はこの会社では浮いた存在に
なってしまっています。
もちろん軽部が浮いているのは定時で
帰ることだけが原因ではありませんが
ほかの社員たちが定時で帰宅する軽部に
文句を言っているのは「残業が当たり前」
となっていることの証左ですね。
さらに言えば、次の項でも触れる
「社長による会社の私物化」により
本来の業務とは関係のない、会社の
利益に直接結びつかないことを
本来の業務そっちのけで手伝わ
されており、これが原因で残業が
必要になっている様子が見受け
られます。
社長による会社の私物化
2015年版ではロケットが利益になるか
わからないにもかかわらず研究費を
投入し続け、2018年版では買収する
わけでもないギアゴーストが訴訟で
有利になるように社員を使って作業を
させています。
「俺はこれがやりたいんだ!」という
熱意になぜか一部社員が賛同し、
それがいつのまにか全社員の総意という
ことになっています。
収益に結びつくならいいのですが
自分の興味がある方向に金になるか
わからないのに会社の金と人という
「財」を投じるのは私物化ですよね。
劇中でもトノさんをはじめ多くの部下が
止めるシーンが多いです。
最終的に損得勘定ではなく熱意にほだされ
賛成に変わる上層部が多いのが問題
です。
低い給与
現時点では原作小説を含め、佃製作所の
給与が公開されたことはありません。
しかし2015年版で特許訴訟に勝利した際
「還元してください」という声が上がって
いましたし2018年版でギアゴーストを
タダ同然で買収できるかもという話に
なった際には「給料、上がるといいっすね」
と社長に向かって呟いた社員もいました。
これらのことから社員は望んでいる金額を
もらえていないと考えられます。
休日出勤
休日にトノさんの農家の手伝いに借り出され
たりしています。
任意参加という形だったようですが
軽部が断った際に不満そうな表情をして
いましたね。
「職場の空気」という強制力こそが
ブラックらしさといえるかもしれません。
やりがい搾取
視聴者の佃製作所への「企業としての評価」
は二分されています。
社員のことを真剣に考えてくれる佃社長の
下で働くのはやりがいがありそう。
過酷すぎるブラック企業。
この2つです。
やりがいがあるからといって給料が低い
ことの正当化はできません。
報酬として金銭の代わりにやりがいを
提供するというのは間違いです。
従業員にやりがいを感じさせる職場作りは
経営者には必要な視点ではありますが
それとは別に仕事への対価は正しく払われ
なくてはなりませんね。
最後に
ということで下町ロケットの佃製作所は
ブラック企業に分類されそうです。
個人的には定時で帰れないのが当たり前
という現在の社会に強い疑問を感じます。
私がまだIT企業の新人だったころ、
「私がリーダーになったらチームの誰より
早く率先して帰る」という目標を打ち立てた
ところ同僚からは笑われ上司からはその晩に
飲みに誘われ説教を受けました。
ですが今でもこの思いは変わっていません。
IT業界も製造業と同じく残業が当たり前の
世界です。
ですが本来残業を当然とした計画を立てては
なりません。
残業が出るのは上司のタスク配分ミスであり
人手が足りないのは経営者の経営ミスです。
それをなぜか「残業しないやつは愛社精神が
足りない」などと社員に押し付ける人が
多いです。
目を覚ましてほしいですね。
・・・話が大きく脱線しました。
佃製作所はブラックな面をやりがいという
ドラマ性でごまかしている企業と言えます。
ドラマとしてみる分には構いませんが
実際に自分がそこで働きたいかと問われれば
首を縦に振る人は少なそうですね。