日テレドラマ「同期のサクラ」第8話ではサクラの心が壊れ、無断欠勤が1年ほど続いている状態でした。
サクラの病気は「うつ病」ですよね。
同期メンバーたちはサクラを立ち直らせようと奮闘しますが、どう見ても逆効果のことばかりでした。
視聴者の多くも「病院へ連れて行かないと」という感想を持った人が多いようですね。
サクラを追い込みすぎ
同期メンバーはサクラを助けたいという気持ちが前に出すぎて空回りしてしまっています。
会社に行けない状態のサクラに「昇進したら仕事が辛くなった」と相談してみたり、設計のアドバイスを欲しいと言ってみたり。
自分自身の価値を見出せなくなっている状態で付き合ってもいない人からプロポーズされてもふざけているとしか思えません。
同期のメンバーたちは異口同音に「いままでのサクラに戻って欲しい」と言っています。
「いままでのサクラ」とは「忖度せずに自分の意思を貫くサクラ」です。
自分の意思を貫き通すことがどれだけエネルギーを必要とするか理解していないのでしょうか。
とてもではありませんが心が弱った状態でそんなことできるわけがありませんよね。
頑張れが禁句の理由
うつ病が広く知れ渡ったことで「うつ病患者に頑張れと言ってはいけない」ということも知られています。
ですがその意味を正しく理解できていない人がいます。
うつ病は意欲が出せなくなる病気です。
そして本人の頭の中では「頑張ろう」と思っているのです。
その思いがどこかで途切れてしまい、体が動かせなくなるのです。
本人は頑張ろうとしています。
誰よりも前の自分に戻りたいと思っています。
そう思っているのに動けないことに苦しんでいます。
やるべきことは病院へ連れ添うこと
素人がうつ病患者にできることは多くありません。
素人ができるのは精神科の予約をして本人と一緒に待合室で待ってあげることです。
うつ病患者の多くは電話で予約を取ることが困難です。
外出することも困難です。
そして多くの方は知らないでしょうが、精神科は非常に混雑しています。
予約をしているのに1時間待たされるような病院も多いです。
うつ病患者のことを大切に考えてくれている人が寄り添ってくれているのなら多少は心が休まるでしょう。
また、うつ病で働けなくなった場合、様々な支援制度が存在します。
うつ病患者本人にはそれらを申請するだけの気力がないことがほとんどです。
周囲の方がぜひ助けてあげてください。
うつ病は甘え
今ではだいぶ少なくなりましたが、「うつ病は甘え」と考えている人はまだ存在します。
そういう方たちに1つだけお願いがあります。
うつ病患者に構わないでください。
理解できないなら余計なことをしないでください。
病気を理解できないのであれば助けることは不可能です。
お互いにとって不幸な結末になります。
だったらせめて近づかないようにしましょう。
個人的な話
私自身、うつ病に苦しんでいた時期があります。
精神科でうつ病と診断されましたが、今でも私自身「うつ病だったのかサボり癖だったのか」判別できていません。
おそらく多くのうつ病患者も同様に、自分をうつ病だとは認めにくいでしょう。
自分から精神科に通い、うつ病の診断を貰って周囲に「私はうつ病です」と言って回れる人はほとんどいないです。
最後に
「同期のサクラ」はドラマなので仕方がないですが、同期メンバーが誰一人として「一緒に病院に行こう」と言い出しませんでしたね。
うつ病は素人に治せません。
うつ病とサボり癖の区別は素人にはできません。
本人が苦しんでいるなら、余計なことをせずに精神科へ連れ添うのが正しい選択です。
「頑張れ」が禁句なのは周知の事実ですが、「心配してあげてる」だとか「早く元に戻って」も逆効果です。
心から心配しているからこそこの言葉を使っていることはわかります。
ですが周囲が焦れば焦るほど本人は苦しみます。
専門的な知識を持った医師に全てを委ねましょう。
素人療法を試すくらいなら、病院へ連れ添い、様々な経済的支援の申請を手伝ってあげてください。
そして「うつ病は甘え」だと未だに思っている方はお願いですからうつ病患者に近づかないでください。